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北朝鮮では、刑法113条「高利貸し罪」に基づき、貸金業そのものが違法だ。しかし、銀行がまともに機能していないため、カネを借りるにはヤミ金を利用せざるを得ない。

ヤミ金だけに、返済に行き詰まったトラブルや事件も多発する中、22歳という若い女性が凶行に及んでしまったと、両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋が伝えたきた。

ヤミ金で元手を借りるが

両江道の金正淑(キムジョンスク)郡に、22歳のAという女性商人がいた。彼女は、ヤミ金業を営んでいるBという女性商人から自宅を担保にカネを借りた。借金して、何らかの商売を始めようとしていたようだ。

しかし、Aの商売はうまくいかず、たちまち返済に窮することとなる。

AがBから、どれぐらいの利子でカネを借りていたのかは明らかになっていないが、情報筋は「一般的」と前置きしつつも、さほど利子は高くないという。

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かつては20~30%が一般的だったが、最近では通常5%、高くても10%、低い場合は3%まで下がっている。通常なら、少しずつ利子を返して持ちこたえる手立てもあるが、それすらままならなくなったようだ。

さらに、貸し主のBは、強引な取り立てを行った挙句、容疑者から家を取り上げて売却しようとした。

強引な取り立てに憤慨

Bの強引な取り立てと担保の差し押さえに激憤したAは、ついに凶行に及ぶ。

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Aは、人通りの少ない夜に市場に行き、Bの店に向かった。そして、刃物でBを殺害してしまった。

利子は抑えめだが

ここ最近の北朝鮮では、個人が商売することが一般的になっており、ヤミ金の利用者は増えている。そして、ヤミ金側も「利子は抑え目にして、広く貸した方が得になる」という発想に変わりつつある。

市場経済化の発展や当局の規制緩和で、商売そのもののリスクが下がり、返済率が上がっているようだ。

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こうしたなかで起きた殺人事件だけに、街の声は、容疑者に同情的だ。

情報筋によると、容疑者であるAに対して「人殺しをしたんだから、それ相応の罰を受けるべきだ」という反応がある一方で、「どれだけ苦しければ人殺しするまで追い詰められたのだろうか」「こんな時代が悪い」という反応も聞かれるという。ちなみにAは、周囲の評判がとてもよかったそうだ。

Aは、裁判を経て、死刑に処させることは確実と思われるが、銃殺刑ではなく撲殺刑になる見通しだ。その理由として情報筋は「最近中央から『銃殺刑を禁止する』という指示があったから」としている。