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国境を流れる鴨緑江を挟んで北朝鮮と向かい合う中国の地方都市が、地元の観光資源と北朝鮮をセットにした観光商品の売り出しに力を入れている。中でも目玉は、パスポートもビザも要らない「北朝鮮半日ツアー」だ。

中国の新華網吉林頻道によると、吉林省の白山市旅游局の田雲鵬国際交流処長は、省都の長春市で3日に開催した観光説明会で「面倒な手続きなく、身分証明書だけで川を渡り、対岸の北朝鮮観光を楽しめるようになる」と述べ、ノービザ・ノーパスポートの半日ツアーが実現する予定だと述べた。

白山市には、中国国内外で屈指の人気を誇る長白山(朝鮮名:白頭山)がある。北朝鮮をコースに組み合わせることで、さらなる観光収入を得ることが狙いと見られる。また、国際社会の制裁で外貨の枯渇が伝えられている北朝鮮にとっても、観光客の増加はまたとないチャンスだ。

白山市に先立ってノービザ・ノーパスポートの半日ツアーを開始した北朝鮮・平安北道(ピョンアンブクト)の新義州(シニジュ)市には、多くの観光客が押し寄せている。

中国国営の新華社通信によると、7月9日に始まったこのツアーの人気は高く、開始後3日足らずで1000人近くが参加した。ツアーを開催する丹東中国国際旅行社の全順姫総経理は「このツアーにはポテンシャルがある。今後はさらに拡張し、1日最大1万人を受け入れたい」と述べた。

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ビザやパスポートが要らない上に、わずか350元(約5380円)と、従来の1日ツアーの750元(約1万1500円)に比べて半額以下で参加できるのが人気の理由だ。

主催する丹東中国国際旅行社のウェブサイトによると、平日は1日前、休日は半日前に申し込めば参加が可能だ。ちなみに日本人、欧米人を含む外国人も700元(約1万700円)で参加できることになっている。

このツアーに参加した人民日報系の国際金融報の記者は、20年ぶりに訪れた新義州を「以前は闇夜に包まれていたが、今では夜にも灯りを点している」と述べ、「北朝鮮の開放はペースを上げている」と評価した。

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一方、別のツアー参加者は中国版ツイッター「微博」の投稿で、北朝鮮の税関では出入国の際にカメラを徹底的に検査され、規定に反する画像を大々的に削除されたと不満を述べている。