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日本ではすっかりおなじみとなった韓国産の焼酎(ソジュ)。これが北朝鮮でも大人気だという。もちろん禁制の品だが、中国経由で密輸されている。

平安北道(ピョンアンブクト)のデイリーNK内部情報筋によると、韓国産の焼酎「チャミスル」が中堅幹部やトンジュ(金主、新興富裕層)の間で人気を博している。

結婚式など大勢が集まる場所では、人の眼が気になるため、北朝鮮産の酒が出される。一方で、親しい友人だけが集まる誕生パーティなどではチャミスルが出される。物珍しさも手伝って、先を争って味見しようとする。

ブルーベリー酒も人気

北朝鮮にも、様々な酒がある。

中でも、ブルーベリーの一種「トゥルチュク」(和名クロマメノキ)で作った酒は、2000年の南北首脳会談においても、金正日総書記と韓国の金大中大統領が酌み交す場面が見られた。北朝鮮を訪れる外国人観光客にも人気だ。

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しかし、高級ホテルの売店など一部を除けば、なかなか手に入らない。工場に原料が供給されないため、金日成氏の生誕記念日に特別配給が行われる時ぐらいにしか流通しないからだ。

最も一般的なのは、個人が自宅で作り市場で売っている密造酒だ。ところが、精製されていないため雑味が多く、アルコール度数も25%でかなりきつい。

「肝臓にもやさしい」

一方の韓国産の酒は、アルコール度数が抑えられている。

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韓国でもかつては北朝鮮と同様、キツい酒が好まれていた。しかし最近は、健康ブームや若い世代の酒離れなどでアルコール度数の低い酒が好まれるようになり、現在製造されているチャミスルの度数は17.1%だ。

そのため、北朝鮮の人々の間でチャミスルは「軽くて、口当たりがよく、肝臓にもやさしい」と評判になっているのだ。

一部のオールド世代には「水みたい」と不評だが、「韓国のものはブランド物」という根強い考えが人気を下支えしている。輸入が禁止されているため、他の食品の入った箱に隠すなどの手法で少量が流入するのみで、まだ市場で売られるほどではない。

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中間層には人気のチャミスルだが、高級幹部には全くと言っていいほどアピールしない。彼らはワイン、ウィスキー、コニャックなどの高級酒を飲んでいるため、庶民の酒チャミスルなどには目もくれないのだ。