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末端の幹部も、自らの家族の食糧を確保するのがやっとで、住民から「助けてくれ」と哀願されても手の施しようがない有様だという。

そのため、コメの収穫量が最も多い地域なのに、コメがほとんど取れないはるか北の両江道(リャンガンド)から、中国産の密輸米を取り寄せるという状況になっている。値段も、輸送量がかかるため、他の地域よりも割高で、手が出せない人が多い。

同様の「人災」は2012年にも起きていた。首都・平壌で金正恩党委員長の「指導者デビュー」を祝う“どんちゃん騒ぎ”を数カ月にわたり続けるため、黄海南道(ファンヘナムド)の食糧を、当局が根こそぎ徴発してしまったため、青丹(チョンダン)郡を中心に、万単位の餓死者が発生。飢えた人々が家族の亡骸に手を伸ばす「人肉事件」の悲劇すら伝えられた。

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大規模事故の地獄絵図

誤った政策で、本来飢えるはずのない人々を飢えに追い込んでいるという点では同じだが、4年前と異なるのは、北朝鮮の市場経済化がより進んだことによる「格差拡大」が影響していることだ。