現在開催中のリオデジャネイロ五輪の公式スポンサーになっているサムスン電子は、参加選手や関係者全員に自社のスマートフォンを提供したが、北朝鮮の選手だけが受け取れていないことが明らかになった。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

同社は、2014年のソチ五輪から参加選手と国際オリンピック委員会(IOC)の委員全員に自社のスマホの提供を始めた。今回のリオ五輪でも、ギャラクシーS7を1万2500台を提供した。

開幕式の際に選手たちに使ってもらうことで、宣伝につなげる目的があると伝えられている。実際、各国の選手はスマホ片手に自撮りしたり、周りの光景を撮影しつつ練り歩いたりしており、同社の狙いは当たったようだ。

国から様々な特典

一方で、このスマホを持っていなかったのは日本と北朝鮮の選手だけだった。

選手村の事情に詳しい関係者によると、北朝鮮の選手は、朝鮮オリンピック委員会(PRK)からこのスマホを支給されていないという。北朝鮮で、韓国製品が「ご禁制」であるためと思われるが、準備されていたスマホは、PRK関係者1人がやってきて選手全員分を受け取って行ったとIOC関係者は述べている。

また、北朝鮮の選手の交流のある韓国のスポーツ選手によると、国際大会で配られた商品などは、コーチやオリンピック委員会の関係者に没収されることが多いという。

その代わり、北朝鮮の選手には国から様々な特典が与えられる。

日本は「軍隊みたい」

北朝鮮のスポーツ界にいた脱北者チェ・ゴミョン(仮名)さんによると、金正恩氏はスポーツを通じた国威発揚が最も効果的と見ているため、活躍したスポーツ選手への褒賞も手厚くなっている。

国際大会で金メダルを獲得した選手には、勲章や「労力英雄」「共和国英雄」などの称号、平壌市内のマンションなど様々な特典が与えられる。国民的な関心を集めた選手やチームが映画化されるケースもある。それだけもらえるのなら、スマホ1台に興味は持たないかもしれない。

開会式の際にスマホを持っていなかったもうひとつの国は日本だが、選手たちは両手に日本とブラジルの小旗を持って行進した。「日本らしく行儀よく、清々しい」との反応がある一方、日本国内でもツイッターや掲示板サイトなどで、「軍隊みたい」「気持ち悪い」との否定的な声が多数上がっていた。

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