人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

韓国・国家人権委員会の今年の『大韓民国人権賞』を、北朝鮮人権団体が受賞することが決まった。

国家人権委員会は28日に、人権団体や各界から推薦された候補を対象に審査を行い、 大韓民国人権賞の団体部門である『人権委員長の表彰』の受賞団体に北朝鮮民主化ネットワーク(理事長:ユ・セヒ、代普Fハン・ギホン)を選定した。北朝鮮人権関連団体が同賞を受賞するのは今回が初めてだ。

今になりやっと北朝鮮人権団体が人権賞を受賞することを、「遅かったような気もするが、それでもよかった」と表現するのは、事案の核心を正確に伝えるには物足りない感がある。

この10年間、正常ではなかった韓国社会がやっと「多少正常に戻ったようだ」と言えよう。正確に言うと、10年間息苦しかった胸に小さな針の穴が開いたような感じだ。気持ちがよくなったわけでもなく、10年間の苦しみが癒されたわけでもない。何故なんだろう。

元々人権問題は人種や国境、性別、宗教、理念、貧富など生物的、社会的諸条件を超えた、『人間が人間であるからこそ持てる権利』だ。人権とは、天から与えられる生得的な天賦のたまものである。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

人権には言葉が要らない。人種によって人権が異なるわけではない。宗教によって人権が違うわけでもない。人間が人間として、霊長類の人類として、ホモサピエンスとして持っている根本的な原理だ。

だがこれまで10年間、金大中・盧武鉉政権で韓国社会は2300万の北朝鮮の住民の人権問題をどう扱ってきたのか。

国連で、ヨーロッパで、アメリカで、日本で、オーストラリアで、カナダで、そしてタイ出身のムンタボン国連北朝鮮人権特別報告者が、さらにはノルウェーの田舎の村で人権キャンペーンを行っている小さな団体が北朝鮮の人権問題に取り組んできた。21世紀を生きていく地球上の人たち皆が心配している北朝鮮の人権問題を、韓国政府が、韓国の大統領が、『北朝鮮の人権実態に関する資料がない』、『北朝鮮の人権について語ると金正日を刺激することになる』というおかしな理由で、また韓国国家人権委員長が、それもソウル大学法学部の教授という人が、北朝鮮は人権委員会の活動が適用されない地域だと、犬も笑ってしまいそうなことを言いながら、北朝鮮の人権問題をよからぬ形で思い込ませてきた。これが世界10位の経済力を誇る韓国社会の現実だ。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

それは単純な試行錯誤や政策の過ちではなく、天と地がひっくり変えってしまうようなことだった。つまり、人倫と道徳と法律体系がめちゃめちゃになった、人間に対する人間の「絶対悪」だった。そうした点から、金大中・ 盧武鉉政権におかしな論理を提供した一部の左派メディアや3流学者は全人類に対する凶悪犯であり、人倫に背く行動を取った者といえる。

こうした理由のため、北朝鮮人権団体が人権賞を受賞すること、北朝鮮民主化ネットワークが受賞することは嬉しくも悲しくもないことである。これまで10年間、人倫と道徳が駄目になっていたのに、そして未だに北朝鮮の人権問題が韓国社会で人権問題として認められていないのに、今回の受賞をどうして喜べるだろうか。

一つお願いがある。それは、北朝鮮人権キャンペーンを行っている市民団体は、長い間信念を持って自分の道を歩んできたのだから、少しでもいいから精神的な余裕を持ってほしいということだ。それが、今回の受賞の意味と言えよう。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

約10年前から北韓人権市民連合(理事長:ユン・ヒョン)をはじめとし、韓国軍捕虜や脱北者、北朝鮮の住民に関連する団体など多くの人権団体が、献身的に北朝鮮人権キャンペーンを行ってきた。この人たちの努力がなかったら、北朝鮮の人権という言葉もなかっただろう。

それ以前は『北朝鮮』という言葉と『人権』という言葉はいつも別々に存在していた。しかし、多くの市民団体の献身的な努力のおかげで、『北朝鮮の人権』という言葉が普通名詞として誕生した。そして北朝鮮の人権の実態が外部に知らされて、国連人権理事会でも北朝鮮の人権が主要な議題として採択された。大韓民国人権賞は、北朝鮮の人権のために活動してきたすべての人が受賞すべきものである。

それにもかかわらずこの10年間、金大中・ 盧武鉉政権をはじめとして、北朝鮮の人権問題を党派的に扱ってきた一部の左派メディアや学者は、こうした関連団体がアメリカの民主主義財団や政界から、人権と民主主義のための支援金をもらっているかどうかということについて議論している。月を指さしているのに、月は見ず指ばかり見ているといったレベルで、北朝鮮の人権問題と向き合っている。アメリカ民主主義財団の人権支援は、今もミャンマーの民主化のために戦っている団体やスーダンの人権と民主化のために活動している団体を支援している。

今回の受賞に対して一部の左派メディアは、そうしたことを足かせにして、特有の無知を発揮するだろう。将来韓国が世界の人権と民主主義のためにアフリカの国々を支援したら、アフリカのメディアも『我々は韓国の植民地』というタイトルで記事を書くことになるのだろうか。

一体、韓国の左派のような井の中の蛙的な左派がいるだろうか。韓国の左派は社会民主主義連帯のような理論もあり、実践力もある団体をなぜ見習わないのだろうか。理解できない点である。

北朝鮮民主化ネットワークは、10年前に80年代の学生運動出身者が集って立ち上げた団体だ。ハン・ギホン、チョ・ヒョク、キム・ヨンファン、ホン・ジンピョ、ハ・テギョン、チェ・ホンジェ、ホ・ヒョンジュン、イ・クァンベクなどが北朝鮮の実態をありのまま認め、過去の主体思想派から北朝鮮民主化人士に転向して始めたキャンペーンだ。この人たちを北朝鮮民主化委員会の黄長ヨブ(火変に華)委員長、北朝鮮民主化ネットワークのユ・セヒ理事長や時代精神のアン・ビョンジク理事長、イ・インホ教授、リュ・グニル教授、パク・ボンジン前議員など社会の識者たちが支援した。

今、北朝鮮の人権と民主化を目指すキャンペーンを通じて、朝鮮半島の新しい歴史が始まろうとしている。これからも北朝鮮の民主化♀リ国社会の先進£ゥ鮮半島の進歩と先進のために努めたい。

いつの日か、『北朝鮮民主の広場』に名前が変わる運命にある『金日成広場』で、北朝鮮の人権と民主化のための決算が行われるまでは、他の賞を受賞したとしてもそれほど喜べないだろう。それは、これからやらなければならないことが多いからだ。