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中国と韓国が、弱冠32歳に過ぎない北朝鮮の金正恩党委員長に、手玉に取られている。北朝鮮の核開発によって安全保障上の利害の不一致を浮き彫りにされ、互いに嫌悪感を増幅しているのである。

昨年の一時期、北朝鮮は中国を「裏切り者」とまで呼び、両国関係は最悪とも言える状態にあった。

(参考記事:牙をむく金正恩氏「社会主義の裏切り者」…北朝鮮内部文書

一方、韓国は北朝鮮がしかけた地雷爆発事件を受けて、対北強硬論が台頭。金正恩氏らに対する「斬首作戦」の導入が議論されるなど、「このままでは南北関係に未来はない」との空気が強まった。

(参考記事:【動画】吹き飛ぶ韓国軍兵士…北朝鮮の地雷が爆発する瞬間

そして今年1月、北朝鮮が4回目の核実験を強行したことで、中韓の安保利害の一致は強まったはずだった。しかし、米韓が米軍の最新鋭高高度迎撃システム(THAAD 〈サード〉)の韓国配備を進めるようになってから、状況は一変する。