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北朝鮮の新義州(シニジュ)市と川を挟んで向かい合う中国遼寧省の丹東市。川沿いに立ち並ぶ土産物屋では、金日成・正日氏の徽章が売られていたが、最近になって姿を消した。現地では「北朝鮮当局が丹東市当局に『販売を止めさせてくれ』と要請したから」と噂されている。

バッジの価値はビッグマック以下

丹東には、北朝鮮を間近に見られる理由から、中国国内外の多くの観光客が訪れる。

土産物屋は、酒、タバコ、健康食品など様々な北朝鮮製品を販売している。その中でも人気だったのが金日成・正日氏の顔が描かれた「双像」と呼ばれるバッジだ。

もちろんこれは中国製のレプリカだ。当局が正式に輸出することも、北朝鮮の人が外国人に気軽に売り渡すことも、ありえないからだ。

忠誠心の証であるバッジを海外で売り払ったことがバレたら、政治犯扱いとなり、下手をすると収容所送りにされかねない重大犯罪だ。

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中国の対北朝鮮デイリーNK情報筋によると、国境を流れる鴨緑江の川べりに立ち並ぶ土産物屋からバッジが忽然と消えたのは数カ月前のことだ。

このバッジの一般的な販売価格はわずか10元(約152円)。マクドナルドのビッグマックの半分の値段だ。北朝鮮当局は、国の最高尊厳がはした金で売られていることを問題視し、販売中止を要請したものと思われる。同地を多く訪れる自国民の目に触れたら、最高尊厳も何もあったものではないからだ。

その一方で、北朝鮮国内の市場では、バッジが普通に売買されている。

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去年7月のデイリーNKの報道では、中国からのレプリカが北朝鮮国内に大量に流れこんだため、値崩れを起こし、20万北朝鮮ウォン(約2600円)だったのが、4000北朝鮮ウォン(約52円)まで大暴落した。

青くなった当局は取り締まりを開始した。そのかいあってか、値段は元の20万北朝鮮ウォンまで上がったようだが、いずれにせよ国の顔が売り買いされている状況には変わりない。