北朝鮮の平壌から北東に50キロ離れた平安南道(ピョンアンナムド)の順川(スンチョン)市で、韓国のKBSテレビが受信できることが判明した。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

アンテナ調整で偶然キャッチ

同地在住の女性は、RFAに次のように答えた。

「順川や平城(ピョンソン)では、韓国の公営放送KBSの電波の受信が可能です。視聴している人もいますがそのほとんどが幹部です。当局は韓流ドラマ、映画への取り締まりを強化しているため、発覚しないように細心の注意を払わなければなりません」

現在、KBSテレビが受信できるのは、韓国に近い黄海道(ファンヘド)、江原道(カンウォンド)、平壌市周辺に加え、東北部の咸鏡北道(ハムギョンブクト)でも海岸部では受信可能と伝えられている。つまり、北部や内陸部を除けば、北朝鮮のほとんどの地域で韓国のテレビが受信できるということだ。

実は、先述の女性も、数年前にテレビのアンテナを調整していたところ、偶然KBSの電波が捕まったため、見るようになったと答えている。

黄海南道(ファンヘナムド)海州(ヘジュ)在住のキム・チョルマン(仮名)さんは、2008年のデイリーNKの取材に対して「朝鮮中央テレビよりKBSの方がきれいに映る」「民放のSBSも受信状態がよく、MBCも時々映る」と答えた。

この当時は、海州で受信した韓国のドラマを録画、ダビングして、北朝鮮全域に出荷されていた。しかし残念ながら、韓国では2012年末を持って、アナログテレビの送信が完全に終了したため、北朝鮮ではMBCとSBSを見ることはできなくなったようだ。

一方、KBSは、北朝鮮と同じアナログPAL方式の10チャンネルでの放送を継続し、かなりの高出力で送信されているといわれている。詳細は明らかにされてないが、北朝鮮に対する宣伝戦の一環ということも考えられる。

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