韓国・統一部のホン・ヤンホ次官は２７日に「核問題に対する北朝鮮の根本的な態度の変化が見られない。そして、北朝鮮は韓国と核問題について協議することを拒否している」と話した。

ホン次官はソウル市忠武路にある世宗ホテルで開かれた、平和問題研究所とハンスザイデル財団が共同主催した、「変化する北東アジアの情勢と新しい南北協力について考える」というセミナーで、「北朝鮮が南北対話を求めているが、南北関係の本質的な事案である核問題がまだ解決していない」と演説した。

また、「今も北朝鮮は核問題を南北対話の議題ではないと主張している」と話した。

さらに、「北朝鮮の主張には韓国国民ならば誰も同意しないだろう。韓国政府は国際社会と協力し、南北対話を通じても北朝鮮の核問題を解決するために努力していく」と強調した。

ホン次官の今回の発言は、最近南北首脳会談の開催のために北朝鮮と接触しているという説と関連し、核問題を首脳会談の議題として扱うべきだという韓国側の提案を北朝鮮が拒否していることを示唆している。

ホン次官は「これまで北朝鮮は、緊張を高めて対話を提案し、補償を手に入れて交渉を跛行させ、先送りをするというパターンを何度も繰り返してきた。今回の北朝鮮の態度も、そうしたパターンではないとは言い切れない」と述べた。

金正日が「南北関係の改善を希望する」と表明するなど、北朝鮮の宥和的な態度は続いているが、韓国政府は北朝鮮の態度の変化には『必要による一時的な変化』の可能性があると注目していると分析できる。

李明博大統領も25日に、東アジア共同体に出席するために訪問しているタイで、「まだ北朝鮮の意図が不透明で、核を放棄するという決断を下したという兆候も見えない」と北朝鮮に対する警戒心を表した。

ホン次官は「北朝鮮の核廃棄という目標を成し遂げるために、より忠実で根本的かつ包括的な交渉が必要となった。北朝鮮の核問題は、我々の生存問題に直接関わる問題で、核問題を解決せずに南北関係の正常化はあり得ない」と強調した。