中国と国境を接する北朝鮮の両江道(リャンガンド)に駐屯する朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の部隊から脱走した兵士が44人に達することが、明らかになった。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

北朝鮮国内の情報筋によると、恵山(ヘサン)市警務局(憲兵隊)と10軍団保衛部(秘密警察)によると、27日現在で脱走が確認された兵士は全部で44人に達する。うち、12人については行方をつかめていない。

脱走した兵士が全員が脱北し、中国で事件を起こしたとは言えないが、北朝鮮に面した中国吉林省の長白朝鮮族自治県では、7月末までの10日間で脱北兵士による事件が多発した。

老夫婦を殺害

韓国の聯合ニュースによると、28日に長白県で中国公安当局との銃撃戦の末に逮捕された2人を含む5人の脱北兵士は、23日に県内の二十道溝村と小梨樹溝村で強盗事件を起こしている。

両江道の情報筋によると、この2人は恵山市剣山洞(コムサンドン)にある「人民軍燃油補給所」の警備中隊所属だ。

また、この5人による強盗と銃撃戦とは別に、27日にも殺人事件が起きている。県内の馬鹿溝村の入り口にある老夫婦の住む家で殺人事件が起きたが、公安当局は現場付近を封鎖し、情報統制を敷いているめ、詳細は伝わっていない。

別の情報筋によると、長白県で殺人事件を起こした脱北兵士は全部で4人で、道内の甲山(カプサン)郡の47軽歩兵狙撃旅団所属であると伝えている。4人は訓練中に脱走し、1週間以上行方がわかっていなかった。北朝鮮当局は4人を指名手配している。

この地方では、梅雨前線の停滞による長雨で国境警備が手薄になり、一般住民による密輸が活発になっていた。それに乗じて、兵士たちも強盗目的で脱北したものと思われるが、国境警備が強化されたため、密輸が難しくなり、住民たちは困窮している。

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