そこから少し離れた場所には、品物は何も持っていないが女性と男性がかたまって立っている。
この人たちは三々五々集まって来て、ひそひそと話を交わしている。市場に初めて来た人には彼らが誰だか分からないが、市場に頻繁に出入りする人たちが見ればすぐに分かる。
彼らは北朝鮮の言葉で「トンデコ(仲介人)」と言われる「両替商」である。北朝鮮のお金やドル、中国の人民元などを両替して利益を得ている人たちだ。
両替以外にもカドル(偽造ドル)と呼ばれる北朝鮮の偽造紙幤(スーパーノート)を流通させる窓口になっている。彼らを通せば、100ドルの偽造紙幤を安く購入することができる。また、氷(ヒロポン)や阿片などの麻薬も手に入れることができるし、甚だしくは軍隊から取ってきた銃弾や軍需物資を入手することもできる。
市場に通じている裏道の一つに、男性たちが集団で立っている。彼らはそこを通る人を連れて静かに路地裏に消える。この人たちは自転車やバイクを売る「自転車デコ」だ。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面それ以外にも、以前は見かけなかった新しい集団が目につくようになった。