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北朝鮮の金正恩党書記長は、国境の警備を強化し、脱北を防止するように繰り返し指示を出している。

指示の効果が出たのか、一時的に脱北は減っていたが、最近になってまた増加している。それも、韓国への亡命を目的としたものではなく、北朝鮮に帰国することを前提にした「出稼ぎ脱北」だ。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

中国に滞在中の北朝鮮人チェさんは、「出稼ぎ脱北ブローカー業」を営んでいる。その手口は次のとおりだ。まず、携帯電話で中国の農家から注文を受ける。それに応じて、市場などで経済的に苦しい人に声をかけて働き手を募る。そして、4人から6人が1組になって国境を流れる豆満江を渡り、秋の収穫まで住み込みで仕事をする。

チェさんが農家から受け取る斡旋料は、1人あたり200元(約3160円)。一方、出稼ぎ脱北者が受け取る日当は、15元から20元(約238円~317円)。地域の法定月額最低賃金1220元(約1万9300円)の半分にも満たない額だが、北朝鮮ではかなりの収入だ。

両江道(リャンガンド)の情報筋によると、恵山(ヘサン)市と川を挟んで向かい合う中国吉林省長白朝鮮族自治県の農家では、大豆の栽培が盛んだが、人口流出が深刻で、働き手が足りない。そこで、賃金が安くて働き者の出稼ぎ脱北者が珍重されるというわけだ。
春から秋まで農作業を手伝うと、2000元(約3万1600円)の収入になる。

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北朝鮮では現在、大増産運動「200日戦闘」の真っ最中で、様々な動員がかけられているが、所属する工場や企業所に1日あたり3元(約47.5円)を納めれば、動員を免除してもらえる。

また、今年は多雨のため、鴨緑江の水位が高く、国境警備が手薄になっているため、密輸が活発になっている。そのため、中国まで行かなくても様々な仕事がある。例えば、密輸品を背負って川を渡る仕事は、1日12元(約190円)の収入になる。

危険な仕事のため、事故も多発している。今月2日、古鉄40キロを背負って川を渡っていた松峯洞(ソンボンドン)の住民2人が、川の流れに足を取られて、亡くなった。