人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

北朝鮮で、金正恩党委員長やその一家、そして高位級幹部御用達の製品を「8号製品」「9号製品」と呼ぶ。

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、北朝鮮当局は、こうした製品の海外への持ち出し制限を始めた。

咸鏡南道(ハムギョンナムド)のある住民は、中国の親戚へのお土産として購入し品物を新義州(シニジュ)の税関で没収されてしまったと打ち明けた。理由は、品物が「8号、9号製品」だったからだ。

8号、9号製品の生産を担当する事業所は北朝鮮の全国各地に存在する。

新義州靴工場と紡織工場には、8号職場、9号職場がある。咸鏡北道の明川(ミョンチョン)郡、延社(ヨンサ)郡の8号事業所ではマツタケ、穏城(オンソン)郡の9号事業所ではスイカとマクワウリ、咸鏡南道の利原(リウォン)郡、洪原(ホンウォン)郡の9号事業所では高級魚介類、黄海南道(ファンへナムド)の松禾(ソンファ)郡、クァイル郡の8号農場ではリンゴ、ナシ、クリを扱っている。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

遼寧省に滞在中の在北朝鮮華僑によると、北朝鮮の税関は、これまで自国製品の持ち出しについて、それほど制限していなかった。今回の「8号、9号製品の輸出制限」は、税関が中央の「国境警備を強化せよ」という指示にかこつけて、権限、利権をより多く確保する。または、高級品を押収して、税関職員が使用したり、市場に横流しする狙いがあるという。

同時に、海外メディアや人権問題を追及するNGOなどが「北朝鮮の人々は飢えているのに、幹部はこんないいものを使っている」と金正恩体制を非難する材料に使われることを避ける意図もあると見られる。

ちなみに8号、9号製品は、外国製の高級品で目が肥えた高級幹部やトンジュ(金主)と呼ばれる新興富裕層にとって、それほど重宝されていないとのことだ。