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新潟と元山(ウォンサン)を行き来していた北朝鮮の旅客船、万景峰(マンギョンボン)号。日本政府の対北朝鮮独自制裁に伴い、日本への入港ができなくなったため、2006年から運航を中断していたが、中国とロシアを結ぶ観光船として活用されることになった。

中国吉林省延辺朝鮮族自治州の琿春市旅游局は15日、琿春から北朝鮮の羅先(ラソン)を経由、ロシアのウラジオストクを結ぶ国際航路を開設し、万景峰号を投入することになったと発表した。琿春と羅先はバスで結ばれる。

琿春市、ロシアの民間企業、羅先市観光局の3者は12日に国際航路開設に向けた会議を開き、船の整備、安全点検、運賃、運行スケジュールなどについて議論した。それによると、 羅先市の羅津(ラジン)港を22時(中国時間)に出港し、ウラジオストク港には8時間で到着するスケジュールだ。8月10日までに試験運航を開始し、便数は月10便の予定だ。

琿春からウラジオストクまでは250キロほどの道のりだが、バスを利用すると7~8時間もかかる上に、直行便がなく、決して便利とはいえなかった。今回開設される羅先経由の海上ルートは、乗り換えが必要ではあるが、寝ている間に移動ができる上に、羅先周辺の観光も組み込むことができる、一度に350人を乗せられるなどのメリットがある。

しかし、今までも様々な話が浮かんでは消えを繰り返している中朝露の観光開発だけあって、今回の運航もどれほど続くか疑問だ。ちなみに、万景峰号は2011年に羅先と金剛山(クムガンサン)を結ぶ航路に投入されたが、わずか2回運航されただけだった。