別の情報筋によると、普天(ポチョン)郡保安署の署長の息子で、麻薬取締を担当する627国境監察課のリ・スンヒョク室長も、キム・チョルに負けず劣らずの悪徳警官だ。
実績を上げて上役の覚えをよくするためなら、他人の人生を台無しにすることなど、何とも思っていない。教化所から出所したばかりの人に、でっち上げた「脱北未遂事件」の罪をなすりつけ、逮捕するほどの悪徳ぶりだ。
あまりにもひどいやり方に、住民の間からは激しい怒りの声があがり、その怒りは保安署を含めた司法機関全体に向けられている。しかし、治安機関に人権を侵害されたとしても、救済措置のシステムすら存在せず、怒りのやり場を失った住民が、保安員に対して報復に出るケースも続出している。
(参考記事:妻子まで惨殺の悲劇も…北朝鮮で警察官への「報復」相次ぐ)北朝鮮当局の「暴力を自粛せよ」という指示の背景には、国際社会の圧力だけでなく、治安機関の度を超した暴力が、様々な問題を引き起こしていることがあるようだ。しかし、RFAの内部情報筋は「そんな指示を保安員が守るわけがない」と不信感を露わにしているという。