「7年の経験と実績、ロシア語堪能」
「乱暴な言葉は使いません」
「手頃な価格、高品質」
「私たちは北朝鮮の職人です」
これは、ロシアのある建設会社のウェブサイトに掲載されたコピーだ。
北朝鮮から来た労働者を雇用していることをセールスポイントにしているが、会社の実態が不明瞭で、謎が謎を呼んでいる。
会社は、ロシア・ウラジオストクにある「レモント・コリア」だ。ウェブサイトのみならず、TwitterやFacebookなどのSNSを使って、施工事例などを積極的にPRしている。また、信頼感を高める目的からか、北朝鮮労働者の団体写真まで掲載している。

しかし、これらのページも、企業も謎だらけだ。
まず、ウェブサイトには同社の正式な社名、沿革などが記載されていない。所在地はウラジオストク市内のスネゴヴァヤ通り13番地。大きな工場の敷地だが、現在では金属加工工場、建築資材会社、自動車修理工場、IT企業など様々な会社に貸し出されている。しかし、それ以上のことは不明だ。

わずかに使われている朝鮮語も意味不明であり、社員の写真として韓流タレントのものを使っている。

運搬用のトラックとして、韓国の起亜自動車のトラックを紹介しているが、窓ガラスに韓国の看板が写り込んでいる。

米国の北朝鮮専門ニュースサイト「NKニュース」によると、同社と北朝鮮当局の関係は今のところ確認できていないと伝えているが、謎めいたウェブサイトの存在は、ロシアでの北朝鮮労働者の人権問題と相まって、不気味さを漂わせている。