その日本が、「われわれの関心事は拉致問題だけですから」などという態度を取ることは、今後もできないだろう。
それにもかかわらず、国交正常化が前提のストックホルム合意にすがり、「対話と圧力」という言葉にこだわるのは明らかに矛盾している。
もしかしたら安倍政権と外務省は、北朝鮮とストックホルム合意を結んだり国連でEUと一緒に動いたりする上で、深い考えもないままに決断を下してきたのではないのか? 「拉致問題解決に努力している」という世論向けパフォーマンスを優先したことが、今日の対北外交の行き詰まりにつながっている部分はないのだろうか?
いずれにせよ、安倍首相は政治家として永田町の一線に躍り出て以来、「私が拉致問題を解決する」と言い続けてきた。