もちろん、人民武力部が本当に「省」になったのかどうか、また国務委員会(旧国防委員会)傘下から内閣に移ったかどうかについては、さらなる裏付け情報が必要である。しかし北朝鮮が金正恩体制になって以降、軍の威信低下はこれまでにも観測されていたことだ。

金正日時代には「先軍思想」を掲げ、すべてにおける軍優先を国策としていたが、その内実は金正恩氏の執権前後から変わってきていたのである。

たとえば、北朝鮮には2種類の軍人がいる。軍の思想統制や人事を掌握する「政治軍人」と、戦闘指揮を担う「野戦軍人」である。そして、前者の代表格は正恩氏の最側近として知られる黄炳瑞(ファン・ビョンソ)総政治局長であり、後者に含まれるのが2012年に粛清された李英鎬(リ・ヨンホ)元総参謀長や、まるで見世物のように虐殺された玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)前人民武力相、降格され処刑説も流れた李永吉(リ・ヨンギル)前総参謀長だ。

(参考記事:「家族もろとも銃殺」「機関銃で粉々に」……残忍さを増す北朝鮮の粛清現場を衛星画像が確認

海外での実戦経験

そう、このところ相次いで姿を消したのは、いずれも野戦軍人の出世頭たちなのである。

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