故金日成主席の母方の伯父に対して、韓国政府が勲章を授与したと、独立系メディア「ニュース打破」が報じた。これをきっかけに、韓国国内で議論が巻き起こっている。

韓国の国家報勲処は李明博政権時代の2012年、日本の植民地支配に抵抗した運動家198人に建国勲章を与えた。その中には金日成氏の母方の伯父である康晋錫(カン・ジンソク)牧師が含まれていた。

康晋錫牧師は、金日成氏の母親である康盤石(カン・バンソク)氏の2歳上の兄で、独立運動家として活動していた1921年に日本の警察に逮捕され、懲役13年に処せられた。韓国の歴史研究者の間では、没年は不明というのが定説だ。

建国勲章は、独立運動で顕著な功績があった人物に授与されるものだが、北朝鮮に関連する人物は対象外とされてきた。

康晋錫牧師への叙勲が決まったのは、審査委員が政治的な理由で交代させられ、専門性を欠いた人物が就任したことで、まともな審査ができなかったからではないかとの指摘が出ている。

ちなみに、北朝鮮のオンライン思想教育サイト「わが民族講堂」は「康晋錫先生は、偉大なる首領金日成同士の母方の伯父であらせられ、熱烈な反日革命闘士」などと賞賛している。韓国で、こうした人物が叙勲者として評価されることは、ありえない。

さらに、国家報勲処は、「康晋錫が叙勲者として不適切」という指摘に対して、彼を叙勲者リストから削除するなど、事実を隠蔽しようとした疑惑が浮上。国会でも曖昧な答弁をしたことで、問題となっている。

朴勝椿(パク・スンチュン)国家報勲処長は国会の政務委員会で「1945年の解放の前に死亡しており、金日成政権と関連付けられないと判断した」と叙勲理由を明らかにする一方で、「その基準なら金日成氏の両親にも勲章を与えるのか」との野党議員の質問に、「検討する」と答弁したため、火に油を注ぐ結果となった。

一部からは朴処長の辞任を求める声が上がっている。

韓国の保守派は、少しでも北朝鮮に対して融和的な態度を示したリベラルや左派に対して「従北」(親北朝鮮)とのレッテルを貼り、攻撃の対象とするが、今回は逆に、リベラルや左派が保守派に「従北」のレッテルを貼るような様相を呈している。

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