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まず、羅先では、担当の役人にワイロを渡した上で、工場と掛け合えば、いくらでも商品を売ってくれる。しかし、中国企業は簡単に商品を売らない。北朝鮮の商人は「ツケ」での販売を要求し、何度も踏み倒しているからだ。

中国企業は、現金以外では取引せず、製品の大半を中国に持ち帰って販売することから、いくら北朝鮮国内の工場とはいえ、製品を入手できない。また、直接、仕入れる商人もいなくはないが、その量は非常に少ない。さらに、羅先は、誰でも入れる地域ではないため、相当な額のワイロが必要になる。

こうした事情から、直接買い付けるよりは、中国で買い付けて逆輸入する方がコストがかからないというのだ。

中朝を往復する輸送費が価格に跳ね返り、北朝鮮の消費者の手元に届くときには大幅に高くなっているが、羅先で直接買い付けても、ワイロなどのコストが上乗せされ、結果的に売値は変わらないという。