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北朝鮮では「田植え戦闘」に続き、「山菜採り戦闘」が大々的に繰り広げられ、多くの住民が動員されている。

山菜採り戦闘は、金日成時代から行われていた。金正恩時代に入ってから中止になったことで、住民たちは喜んでいた。ところが、国際社会の経済制裁による外貨稼ぎを解消するためか、今年から急に復活。住民からは不満の声が上がっていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

RFAの咸鏡北道(ハムギョンブクト)の内部情報筋は、「5月10日から20日まで、山菜採り戦闘が行われた。当局は、各工場、企業所の労働者、人民班(町内会)の住民、小中高の生徒まで動員。彼らはリンドウ、ウスバサイシン、ウチワドコロなどの薬草を採取させられた」と語った。

リンドウは竜胆草と呼ばれ、肝臓や胆嚢の機能を整え、泌尿器を殺菌、消炎する作用がある漢方薬だ。また、ウスバサイシン、ウチワドコロは解熱、鎮痛作用がある。いずれも中国に輸出して外貨稼ぎするためのものだ。

薬草に加えて、ワラビ採りの指示も下されている。

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工場、企業所、中学校では1人あたり1日1キロの乾燥ワラビを供出せよとの指示が出された。

1キロの乾燥ワラビを作るには、10キロもの生ワラビが必要だ。しかし、町の裏山の木は薪に使うため、ほとんどが切り倒され、畑になっているため、ワラビや薬草を採るには山奥まで入らなければならない。

ノルマを達成できない人は、各地域の外貨稼ぎ事業所や5号管理所などを訪れ、小麦粉2.5キロを乾燥ワラビ1キロに交換してもらい、供出している。

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山菜採りが、農村支援の弊害になっている実例も紹介されている。

両江道(リャンガンド)の内部情報筋によると、農村支援で山奥の農場に来た支援者たちは、協同農場の仕事には目もくれず、薬草、山菜採りに夢中になっている。

それもそのはず、協同農場の仕事はいくら手伝っても一銭のカネにもならないが、リンドウ1キロは中国人民元で20元(約306円)、ウスバサイシン1キロは40元(約612円)で密輸業者が買い取ってくれるのだ。

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農民の間からは「山菜採りばっかりして、まったく役に立たない支援者なのに、なんで食事や宿の世話をしてやらなければならないのか」と不満の声があがり、農場管理委員会に押しかけて「あいつらを追い返せ」と抗議する事態に発展している。