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北朝鮮情報革命の牽引役を果たしている「ノートテル」。ノートブックサイズのメディアプレイヤーで、DVDやUSBメモリーに保存された韓流ドラマなどの「違法コンテンツ」を楽しむために欠かせない。

金正恩氏は、どういうわけかノートテルの所有を禁じていなかったが、今頃になって急に「禁止する」と言い出した。その訳を平安北道(ピョンアンブクト)のデイリーNK内部情報筋が伝えてきた。

大学生が集団でアダルトビデオ

最近、各貿易会社に対して「中国製のノートテルを輸入してはならない」という指示が下された。同時に「韓流などの外国ドラマ、映画やアダルトビデオの視聴目的でノートテルを所有している者は処罰する」という方針も伝えられた。

指示に伴い、6月からは中国からの持ち込みが制限されている。その理由として情報筋は「韓流ドラマの視聴で、住民の意識が変化した」ことを挙げている。「大学生が集団でアダルトビデオを見ていたことが発覚、逮捕された一件がそのきっかけになった」という。

輸入は規制しているものの、販売については完全に規制されているわけではない。

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中国製のノートテルを大量に販売することは取り締まりの対象になるが、北朝鮮製のノートテルの小売に関してはうるさく言われない。その理由は明らかになっていない。

ノートテルの輸入規制が始まる前から、消費者の目線はMP5プレイヤーに移りつつあった。

ノートテルより小さく、電気がなくても乾電池で作動する。ソフトを保存したマイクロSDカードは非常に小さく、取り締まりを簡単に逃れられるからだ。中国国内では100元(約1590円)以下で売られている廉価版もあり、庶民の手にも届きやすい。

庶民は馬耳東風

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皮肉なことに、金正恩氏が党大会で強調するほど深刻だった電力事情が少し改善したことも、根強い韓流ブームを支えている。

今年の春は降水量が多く、水力発電所の稼働率が高まったことで、人々はより長く韓流ドラマを見るようになったのだ。

当局は「農村支援戦闘と200日戦闘を闘いぬこう」などと喧伝しているが、耳を傾ける人は少ないという。

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かつて韓国でも「働かなくなる」「外国文化に接しすぎると悪影響が出る」などの理由で、テレビの放送時間が1日10時間程度に制限されていた時代があった。人々は、ビデオプレイヤーを購入し、放送がない時間帯にはビデオを楽しみ、レンタルビデオ屋は大盛況だった。

いくら情報を統制しようとしても、人の好奇心を妨げることはできないのだ。