金正日が4日に中国の温家宝首相を空港で出迎えた。この日の行事には、中朝関係に対する両国の期待が浮黷ﾄいた。

金正日と温家宝首相は中朝関係全般に関して意見を交わすと思われるが、最大の関心事は北朝鮮の核問題だ。中国が国連の対北制裁に参加しているため、両国の間には微妙な葛藤が存在している。国際社会は温首相の今回の訪朝で、北朝鮮の核問題と関連して進展した結果が出ることを期待している。

金正日は先月18日に中国の胡錦濤国家主席の特使として訪朝した戴竝相O交担当国務委員に会い、従来の『6カ国協議不参加』の発言を撤回し、『2国間または、多国間の対話に出る』と伝えた。中国のナンバースリーである温家宝首相の訪朝では更に進展した態度を示す可能性が高い。

金正日は平壌の順安空港で、直接温首相を出迎えた。空港で行われた行事には北朝鮮の党や軍の高官、劉曉明在北朝鮮中国大使、北朝鮮に滞在している中国人や中国の留学生などが参加し、温首相の訪朝を盛大に歓迎した。平壌市内では市民を動員して歓迎ぶりを見せたという。

北朝鮮のこうした態度は、これまで中国の首相が訪朝した時にも見せなかった非常に異例なものである。北朝鮮が温首相を今回のように礼遇したことから、多国間対話に出るという曖昧な言い方から、更に一歩進んだ態度を見せるのではないかという期待もある。

温首相の訪朝の前に、中朝間で北朝鮮の核問題と関連して意見調整があった可能性もある。中国は北朝鮮が前向きな態度に変わることを予測していたかのように、制裁をしながらも北朝鮮に対して相当量の支援を無償で提供していることを明らかにした。

中国外交部の姜瑜報道官は先月29日の定例記者会見で、温首相が北朝鮮を訪問する時に、食糧と石油を無償で支援するのかという質問に対し、「中国は北朝鮮に可能な範囲で対北無償支援を続けてきた」と話し、温首相が訪朝している間も大規模な無償支援を行うことを示唆した。

また、「無償支援の目的は北朝鮮の経済発展と民生改善を支援することだ。中国は今回の温首相の訪朝の際に、北朝鮮と経済や貿易、教育、旅行分野などの協定も締結する」と話した。

しかし、北朝鮮が6カ国協議復帰というカードを中国に対して使うかどうかについては、様々な予想が出ている。北朝鮮はアメリカとの2国間対話で、交渉用に6カ国協議復帰カードを使う可能性が高いからだ。

このように、北朝鮮はこれまで多国間対話を尊重するという立場を取っていたが、6カ国協議をよりはっきりと意味する表現が出る可能性もある。どのような形であれ進展した表現が出るとしたら、中国と意見の調整を綿密に行った後、発表したものである可能性が非常に高い。