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北朝鮮の内部消息筋の話から、北朝鮮では今年の収穫高が去年の半分程度であることが分かり、来年の食糧難が懸念されている。

今年、咸鏡北道では国家のとうもろこしの生産計画が1町歩(1町歩は3,000坪で約9,917.4?)当り4.3トンだったという。だが、農業部門の関係者が報告した今年の予想収獲高は3.5トンだった。予想収穫高は、国家の生産計画よりも約1トン少ない。

しかしこの予想収穫高に対しても、咸鏡北道の内部消息筋は「農業担当の幹部が『150日戦闘』の総和を恐れて、生産量を誇張して報告したようだ」と言い、「農民たちは、実際は町歩当り2トン程度しか収穫できなかったと見ている」と伝えた。

平安北道でも今年、国家のとうもろこしの生産計画は町歩当り4.8トンだったが、農業部の職員が報告した予想収穫高は平均およそ4トンだという。生産計画よりも0.8トン程度、収獲高を少なめに予想している。

だがこれについても平安北道の消息筋が、「実際の生産量は3トンにも満たない」と述べ、「不足した量は農場員の分配から差し引いて、紛失処理をして凾黷謔、とするだろう」と指摘した。

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消息筋は稲作についても、「平安北道と咸鏡南道の方が少しよく、他の地域は去年の半分程度にしかならない」と述べ、「江原道と平安南道、黄海南道の農業がだめだったという話を聞いた」と伝えた。

最近の米の価格からも、来年の食糧不足を占うことができそうだ。通常、収穫期には米の値段が下がるのが普通で、90年代の「苦難の行軍」の時期にも秋になったら食糧の値段が下がった。

だが、今年は農業がだめだったといううわさが流れて、食糧の値段が下がるはずの秋になったにもかかわらず、市場ではむしろ、食糧の価格が小幅上昇しているという。

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9月22日頃、両江道の恵山市場の食糧の価格は白米が2800ウォン、砕いたとうもろこしが1500ウォンだったという。9月2日には白米が2300ウォン、とうもろこしが1200ウォンだったため、平均300~500ウォン上がったことになる。

作況が良くなかったので、米を持っている住民が米を市場で売らなかったため、値段が上がったと思われる。これまで、秋になると米を持っていた住民が市場で米を売ったが、今年は自分たちの食糧を確保するために出していないと消息筋は説明した。

また、北朝鮮政府の150日戦闘と統制のために作況が更に悪化したという話も出ている。

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北朝鮮でジャガイモの生産地として有名なデホンタンでは、1町歩当りジャガイモが40トン生産されると予想されていたが、収穫できた量はほんの少しだったという。

デホンタンは北朝鮮政府がジャガイモ農業のモデル団地に指定して、今年のような気象条件でも肥料を優先的に供給して、ディーゼル油や農場で使う機械の油も特別に供給してきた。

1町歩当りの収穫高は40トンを上回るだろうと予想されていたデホンタンのジャガイモが、このようにだめになってしまったのには事情がある。

消息筋によると、北朝鮮政府は今年、農場に住民を大勢動員したが、人数を増やすことばかり考えて、作業組職の細分化がしっかりと計画できなかった。

最大の原因は、動員した人が移動するための運送手段がなく、農場まで30~40里(12-16キロメートル)はある道のりを、支援者たちが歩いて移動しなければならなかったので、移動時間がかかり過ぎたということだった。しかも、家に食べる物がないという口実を設けて支援者たちが全員お弁当を準備して来なかった。農場に着いても時間が経つのを待つだけで、仕事をしなかったという。農場員たちも農場全体の作業は動員した人だけに任せて、自分たちは分配された土地の作業だけに専念していた。

2005年から北朝鮮政府は農場員の配給の問題を解決するために、農場の作業班ごとに国家の耕作地のおよそ8%を提供して、農場員のための分配地として指定し、そこで収穫したものは全て、農場員が分け合うことができる措置をとった。

両江道の消息筋はこれに対して、「やたら人を動員していただけで、実際には作業がきちんと組織されていなかった」と言い、「幹部たちが見ている道路の周辺だけきちんと草取りをしていたが、内側は草とジャガイモが見分けられないほど草ボウボウだった」と話した。

それ以外にも、草取りの時期には先を争って動員してほしいと要求していた農場が、収穫期になったら支援はいらないと言い張ったという。動員してもらったらその人たちを食べさせなければならず、また動員で来た人たちが農作物を盗む事件も頻繁に起きていたため困り果てて、自分たちで収獲した方がよいと考えたからだった。だが、動員支援がなかったため収獲が先延ばしにされて、霜が降ったため収獲する前に農作物が冷害でやられたということだった。

両江道の消息筋は、「季節を無視して収穫を延期したうえ、農作物の量を増やそうとして支援を断ったので、植えておいたものを全て台無しにしてしまった」と言い、「『150日戦闘』がなければ、ここまでダメになることはなかっただろう」と悔しがった。

また、「やたらに実績だけあげようとしている関係者たちの欲のため、こんな結果になってしまった」と主張し、「むしろ以前のようなやり方で農業をしていたら、今年もここまで収穫がダメになることはなかっただろう」と付け足した。

一方、北朝鮮政府が今年、内部で農業の実態調査を実施していることも分かった。

消息筋は「農業省が農場に直接、実態調査をするための検閲隊を派遣して、全般的な予想収穫高と実際の収穫高を検閲している」と説明し、「今年、農業が全然ダメだった原因についても、農場員に直接会って意見を聞いている」と伝えた。

消息筋はさらに、「農業省の検閲隊が実態調査をしているため、農場員はもちろん、農場を担当した党の労務者までぶるぶると震えている」と証言し、「作業を組職して人員をきちんと管理することができず、草取りもちゃんとできなかったという意見が出たため、幹部はみな、責任を逃れようと必死だ」と伝えた。