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これまで6編にわたる企画記事の連載を通じて、北朝鮮の教育の現実を見てきた。また、北朝鮮の教育現場で10代の犯罪などの問題が発生している一方、外来文化の吸収が早い10代によって、北朝鮮の変化が早まっていることも知ることができた。

今回の記事では、北朝鮮の教育制度の根本的な問題を詳しく見て、どのような問題が発生しているのか指摘したい。

北朝鮮では配給が中断したため、ほとんどの人が商売をして生計を立てている。個人の能力と商売の手腕次第でお金をたくさん稼ぐこともできる。幹部たちも地位と権力を利用して商売をして、お金をたくさん稼いでいる。社会主義国家である北朝鮮でも、このように資本主義的な要素のために格差が深まっているのである。

格差は経済的な面だけでなく、教育現場でも深まっている。

北朝鮮の内部消息筋が、「都市にも『文字を読むことができてお金の計算さえできれば良い』と言って、子供を学校に行かせない人が多い」と言い、「お金がない家は学校に持って行かなければならない割り当てがあまりにも多いため、子供の教育をあきらめている」と伝えてきた。

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北朝鮮は無償教育を主張しているが、学校は強制的に、いろいろなものを生徒から徴収している。食糧難と経済難のため、その日暮らすのも大変な家庭の子供は、教育をあきらめているという。こうした問題以外にも、北朝鮮には身分による差別がある。つまり幹部の家の子供はより質の良い教育を受けることができる一方、一般の子供はきちんとした教育を受けることができないのが北朝鮮の教育の現実だ。

「11年制の義務教育」と宣伝している北朝鮮の教育が、このように危機に直面するようになったのは、金正日の誤った教育政策のためである。

1984年に金日成がヨーロッパの教育現場を見学して、北朝鮮の教育の実態の深刻性を提起して、共和国の教育を改善するよう指示した。これを受けて金正日は「秀才教育(英才教育)」という看板を掲げた。頭が良い秀才を特別に教育して、国の科学技術の発展のために学校を序列化するという政策だった。

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1985年に北朝鮮はモデル学校として「平壌第1中学校」を作り、全国的な学科競争で優秀な学生を選んで特殊教育を受けさせた。その翌年には、第1中学校を各道に1校ずつ新設して、学科ごとに競争させて優秀な学生を選抜し、教育した。

初期の第 1中学校は純粋な科学技術の人材養成基地と認識されていたが、科学者に対する待遇が低かった北朝鮮では、権力層の注目を引くことができなかった。だが1980年代末に、第 1中学校の卒業生たちが北朝鮮の有名大学にどんどん入るようになり、一般の中学校に割り当てられていた、最高レベルの大学に入学できる生徒数の枠が縮小されるようになった。そのため、幹部やお金持ちの家庭が子供の未来のためにと、第1中学校に目を向けるようになったのである。

2003年に北朝鮮は全国的な義務兵役制を実施したが、第1中学校だけは例外的に義務兵役から免除された。第1中学校に行きさえすれば、軍に服務しなくてよく、大学にも進学することができるし出世することもできた。

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これは権力中心社会、つまり市民の権利が完全に無視された北朝鮮社会で、権力層に与えられたまた別の特権だった。権力層は猫も杓子も教育界に圧力をかけて、子どもを第1中学校に入学させたため、英才教育のために建てられた第1中学校は1%の国民のための貴族学校に転落してしまった。

これについて内部消息筋は、「第1中学校は幹部だけのための学校」と言い、「お金がたくさんある人も、子供を第1中学校に通わせるのは大変」と説明した。定員が制限されている第1中学校は、権力がない人はお金があってもなかなか行けないということである。

第1中学校が特権層のための教育施設に転落して、庶民は実力で社会に挑戦する機会を永遠に失うことになった。

また、北朝鮮では一般の中学校に対する国家の支援が完全に無くなり、学校は学生の懐をはたいて何とか運営しているのが実情だが、第1中学校にはいわゆる「秀才教育」という名目の下、コンピューターや教材が優先的に供給されている。

第1中学校の学生は一般の中学生とは異なる教材で勉強して、中学生が動員される社会的な労働や山菜採取、農村動員も全て免除される。

このような学校序列化は10代の格差を一層深めて、学生の多くが勉強に対するやる気を失うようになった。両親の権力に支えられている特権層の子供は、第 1中学校に入っても勉強をあまりせず、道が塞がった一般の中学校の学生たちは学校に行く必要を感じなくなった。こうして将来に対する希望を失った青少年たちは、世襲化された権力に対立することができる唯一の手段である、お金儲けに目を向けるようになったのである。