兵士たちは、食料の大部分を国からの配給に頼って生きてきた。ところが、90年代末の大飢饉「苦難の行軍」でシステムは崩壊してしまい、食料の自力調達を余儀なくされた。
畑を耕し作物を作ったり、家畜を飼ったりして、食料確保に努めているが、需要を満たすことはできない。また、まれにある配給も、軍幹部による横流しで、末端の兵士には届かない。
そのため、国境を越えて中国に入り、レストランで物乞いをしたり、山で木の実や野草を採ったりするなど、涙ぐましい努力をする兵士もいる。昨年7月、人民軍の総政治局は「無断で国境を超えてブルーベリーを採りに行った者は厳罰に処する」との布告を出している。
処罰されず
それでも食料が得られない兵士たちは、自主的に、あるいは上官の命令で、近隣地域や中国で略奪行為を行うのだ。