2009年の北朝鮮の作況は最悪だという話が伝わる中、来年食糧難に見舞われるのではないかという懸念が出ている。北朝鮮の内部消息筋が、今年は稲作と畑作、ジャガイモ農業がかんばしくないため、来年の食糧難が心配されていると明らかにした。特に、北朝鮮が去年から今年にかけて国際社会の食糧支援を拒否しているため、食糧難が一層懸念されている。
不作の理由は地域ごとに異なるが、日照りで畑作や稲作に大きな被害が出て、さらに低温現象、つまり冷害に襲われたためジャガイモの作況が良くなかったという。
消息筋は最近、デイリーNKとの通話で、「恵山や咸興、元山、ピョンソン、新浦、ブクチョン、カプサンの住民への配給は全くない。この地域の作況が非常に悪いため、住民たちが来年暮らしていけるか非常に心配している」と述べ、「『米3キロあればテレビを買うことができる』という言葉があるが、これは家電製品を売ってでも米を買って食べざるを得ないということ」と話した。
消息筋はまた、「例年と比べて稲作や畑作が全てうまくいかなかったが、特に畑作がだめだった」と言い、「住民は食糧難を心配していて、行く先々でみんなが、来年の生活が心配だと口をそろえて話している」と伝えた。
消息筋は「日照りでとうもろこしが全然だめだった。とうもろこしは今1メートルも育っていないし、実もほとんどなっていなかった」と付け足した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面両江道に住んでいるカン・チョルマン(仮名)さんは最近、デイリーNKとの通話で、「9月10日に始まった両江道のジャガイモの収穫は衝撃的」と言い、「両江道は今年、町歩当り40トンのジャガイモ生産を国家的に計画したが、生産量はその計画に全く及ばなかった」と伝えた。
カンさんは「北朝鮮が誇る代表的なジャガイモ生産地であるデホンタンのジャガイモ農場でも、現在町歩当り平均12トンしかジャガイモが生産できていない」と述べ、「北朝鮮政府が『第2のデホンタン』と騷いで、今年力を注いでいたペガム郡の1万町歩ある農場も、町歩当り平均15トンしかジャガイモを生産することができなかった」と明らかにした。
消息筋によると、ジャガイモの収穫量が少ない理由は、例年と比べても低温現象がひどくてジャガイモが冷害にあったからだった。この地域以外にも、両江道のウンフン郡やサムス郡などの農場では町歩当り平均10トン、更にプンサン郡とプンレSでは町歩当り5~7トンしか収穫できなかったという。「種子芋を引き上げるのも難しい」という話も出ているくらいだ。 (続く)