北朝鮮の事実上の対外広報担当を務め、「北朝鮮初の外国人公務員」などと呼ばれたスペイン人男性が、武器の違法取引に関わった容疑でスペイン当局に逮捕されていたことが明らかになった。スペインのエル・ムンド紙が報じた。
この男性は北朝鮮の対外文化連絡委員会の特使と、スペインの朝鮮親善協会の委員長を務めるアレハンドロ・カオ・デ・ベノス氏。
「朝鮮一(チョ・ソニル)」を名乗る
スペインの治安警備隊(国防省所属の準軍事組織)は、武器密売組織に対する全国的な摘発作戦を行った。その結果、スペイン・カタルーニャ州南部のタラゴナのベノス氏の自宅から、改良型銃器4丁と弾薬箱2000個を発見し、べノス氏本人と42歳のルームメイト、ムルシア在住の武器密売組織の中心人物など、12人を逮捕した。
捜査当局に近い情報筋によると、彼は護身用に密売業者から銃を購入したと述べている。この違法取引が、北朝鮮と関連したものであるかは明らかになっていない。
レス男爵、アルヘレホ伯爵、ロサルモンテ公爵の御曹司にあたるべノス氏は、家柄に反発し極左思想の持ち主となった。それがいつしか、北朝鮮へのシンパシーへとつながっていった。
北朝鮮公務員の肩書
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面朝鮮一(チョ・ソニル)という朝鮮名を持ち、1年の半分を平壌で過ごし、海外からの訪問団や投資の誘致を行っていた。また、海外メディアの取材にも積極的に応じ、北朝鮮の体制を擁護する発言を続けてきた。
エル・ムンドによると、彼は北朝鮮の公務員の肩書を持っているが、業務は行っておらず、実質的には旅行代理店の役割を果たしていた。