北朝鮮当局は、6月から12月までを「200日戦闘」の期間に定めた。一般住民は、勤労動員や農村支援などの労働に駆り立てられ、さぞかし忙しい日々を送っていると思われる。
こうした中、なぜか地方の大都市ではトンジュ(金主、新興富裕層)が経営する娯楽施設が大繁盛だという。咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋は語る。
「中央は『自主技術と手段を総集中させ、生産を増やし、生産物の質を高めよ』と言っている。これをトンジュたちは『どんな手を使ってでも金を儲けて、国に捧げる“忠誠の資金”を確保せよ』と解釈して、娯楽施設に大々的な投資を行っている」
清津(チョンジン)市のトンジュが経営するレストランは、中国製の最新カラオケ機器を導入。結婚式などの団体客を呼びこむため、夜遅くまで熾烈な競争を繰り広げている。
カラオケの利用料金は1人あたり1時間3元(約49円)。歌手を呼べば10元(約163円)と決して安くないが、どこも大繁盛だという。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面さらに、中朝貿易の拠点、新義州(シニジュ)ではレジャー産業がますます盛んになっている。
平安北道(ピョンアンブクト)の別の情報筋は「新義州はカラオケ店やゲームセンターなどの娯楽施設が北朝鮮で一番多いと言われている町だ」と語った。
駅前と市場周辺には、小規模なシューティングゲームや射的などの店から、大規模なカラオケ店やゲームセンターまで、様々な娯楽施設が立ち並んでいる。主な客層は、中国人や外貨稼ぎ機関の幹部たちだ。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面新義州の各職場では、従業員をのべつ幕無しに勤労動員や農村支援に送り込むのではなく、5~6つのグループに分け、交代で行かせている。そのため、動員のない日には、娯楽施設などで暇をつぶすという。
また、銭湯、サウナ、マッサージ、休憩室、食堂などを完備した北朝鮮版スーパー銭湯「蒼光院」を訪れる人も多い。銭湯と理髪室を使うと5ドル(約534円)ほどになる。
一般庶民にとって、娯楽施設が増えるのは実に喜ばしい話だ。一方、トンジュたちのレジャー利権をめぐる争いは熾烈で、衝突が絶えないという。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面中央は「200日戦闘だ!」と騒ぎ立てているが、トンジュは金儲けに勤しみ、庶民らは、適当に動員を済ませて、遊びに興じているのが実情だ。