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中国国内では人件費が年々上昇し、各メーカーにとってメリットが減少しつつある。そんななか、北朝鮮の工場に一部工程を委託、生産を行う、国境を挟んだ「中朝分業システム」が構築されつつあると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

この中朝分業システムについて、中国遼寧省の繊維業界情報筋は次のように明かす。

「まず、中国企業は、衣類の縫製、ボタン付け、ファスナー付けなど、手間のかかる作業を、北朝鮮の被服工場、紡績工場に外注する。その後、工程を経た製品は、中国の工場に戻され「中国製」のタグが付けられて出荷される。表向きは中国製だから輸出にも問題がないというわけだ」(遼寧省の情報筋)

一方、このシステムは北朝鮮の工場にとっても都合がいいとのこと。労働力さえ確保できれば、利益が上げられるからだ。

こうしたシステムを導入する工場の数は不明だが、情報筋は「非常に多い」と述べる。繊維分野以外では、カツラ業界で、同様の外注が行われているという。

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中国企業は、カツラの手作業が必要な部分を、平安北道(ピョンアンブクト)の工場に外注する。こちらもある程度の工程を北朝鮮で行い、中国の丹東、東港の工場に戻して完成させる。また、中国国内の労働者も北朝鮮から来た女性労働者だという。

月給は200~300人民元(約3300円~4950円)。北朝鮮では、一家がなんとか食いつなげるほどの額だ。

国際社会の対北朝鮮経済制裁は強化されているが、アパレル分野は制裁の対象ではなく、北朝鮮にとって手軽な外貨稼ぎの手段となっているようだ。