丹東の人気店の場合、観光シーズンや連休ともなれば200―300席もある店が客でいっぱいになることも多く、かなりの売り上げがあると思われる。
ディナー時の客単価は普通に食べても日本円で2000~3000円ぐらい。気前よく飲み食いすれば7000~8000円ぐらいはいく。物価の安い国でこれだけの売り上げを得ていれば、利益水準はかなり高いだろう。丹東でも最も客入りの良さそうな店の前には、毎日のようにベンツやポルシェなどの高級車が停まっていたという。
「丹東では、北朝鮮レストランの主な顧客は国内(漢族)の観光客ですが、人気店には地元の金持ちもよく足を運びます。最高級店ではないのだけれど、味は上品だと言われていますね」(前出・朝鮮族の貿易業者)
一方、東南アジアで営業している北朝鮮レストランの場合、韓国人ツアー客を主なターゲットにしてきた。北朝鮮レストランでの食事を「定番コース」として組み込んでいた旅行社も多く、店側もそれを見込んでいるのか、広々とした作りになっている。
ただ、2008年10月の「リーマン・ショック」直後には、そうした営業戦略があだとなったこともあった。