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今月7日、中国浙江省寧波の北朝鮮レストラン(北レス)「柳京食堂」の支配人と従業員13人が脱北したのに続いて、中国陝西省の西安にある北朝鮮レストランを脱出した女性従業員3人が脱北し韓国行きを希望するなど、脱北事件が相次いでいる。

こうした集団脱北の影に隠れて、生活のために一時的に脱北し、中国の農村で働く人が増えていると米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

吉林省延辺朝鮮族自治州の和龍市のある朝鮮族の住民によると、現地のタバコ、薬草栽培農家では人手が足りず、地元で募集をかけたものの中々集まらない。そのため、国境の河をこそっと渡ってきた北朝鮮人をこっそり雇うという。

農村の人手不足は、延辺の深刻な「離農現象」による。現地の朝鮮族は、より良い収入を求めて、北京、上海、深センなどの国内の大都市、そして韓国まで出稼ぎに行く。農村に残っているのは老人と子どもたちばかり。

こうした事情から、「よく働く」(情報筋)と評判のいい北朝鮮人を雇う。脱北者を取り締まる現地の公安当局も、農家の事情がわかっているため、この時期に関しては黙認する。また、北朝鮮では、党大会が終わり、国境警備が緩くなったことで、脱北がしやすくなっている。

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ブローカーは、北朝鮮の国境警備隊員にワイロをつかませて、脱北を黙認させる。現在の相場は、1人あたり中国人民元で2000元(約3万3000円)だ。対象者を北朝鮮から連れだすのに成功すれば、農家に連れて行くという流れだ。

農家で働く人々の多くは、カネを稼いだら、北朝鮮に戻るつもりだ。つまり、出稼ぎのための一時的な脱北者なので、国境警備隊員も気が楽だ。しかし、中には韓国に向かおうする脱北者もいる。

万が一、自分の担当区域から脱北者を出すと銃殺を含む重罰に問われかねないため、子ども連れで国境を越えようとする住民は通さない。しかし、1人あたり相場よりも高い1~2万元(約16万6000円~33万3000円)のワイロをつかませれば、黙認してくれる隊員もいる。

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脱北者をめぐる状況は、日々変わりつつある。