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韓国の対北脱北者団体は、以前から風船にUSBメモリーやドル紙幣を括りつけて飛ばしていたが、どこに飛んで行くかは風まかせだった。しかし、ドローンなら飛行ルートや投下ポイントをGPSで指定できる。

同団体は、GPSを使って投下ポイントを設定した上で、ドローンを中朝国境から飛ばす手法を使っている。使用しているドローンは、高性能機種で、最大飛行距離は8キロだ。

東西の幅が最も小さいところでも180キロに及ぶ北朝鮮で、わずか8キロしか飛べないドローンを使うことは、一見意味のない行為に思われるが、そうでもない。

中朝国境沿い最大の都市である新義州(シニジュ)市ですら、市域はそれほど広くない。中国側からドローンを飛ばせば、市内のほぼ全域に投下が可能だ。新義州のみならず、満浦(マンポ)、恵山(ヘサン)などの中朝貿易の拠点、交通の要所に投下すれば、誰かの手を経て、内陸地方に運ばれることが期待できるというわけだ。

また、韓流ドラマのソフトを売る業者の手に渡れば、コピーされて大々的に流通されることも期待できる。