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北朝鮮では10代の犯罪と組職暴力団の問題が日増しに深刻になっている。基礎的な高等教育をまともに受けることができなかったという点と、何よりも青少年の犯罪を北朝鮮政府がほとんど野放しにしている点が問題である。北朝鮮政府が10代の犯罪を徹底的に処罰して取り締まることは二の次と考えているとしても、10代の犯罪の根源的な原因と考えられる教育の問題でも手が打てていない。

ここでは、北朝鮮の10代の暴力組織の問題について詳しく見てみたい。

驚いたことに北朝鮮社会では、10代の暴力組職が学校やクラス、地域を中心にくもの巣のように広まっている。一般的にこうした暴力組職は10~20代が中心になって、30代になったら10代に席を譲る。

北朝鮮で10代の青春時代を過ごした脱北者ならば誰もが一度は「組(ペ)」と呼ばれる一種の暴力組織で活動した経験があるだろう。

北朝鮮の「組」は「サークル」のような団体だと認識されることもあるが、ほとんどは暴力組織である。個人の活動を徹底的に統制する北朝鮮社会で、自分の身を守ってお金を稼ぐためには互いに協力する必要があり、こうした協力体として「組」が形成された。

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北朝鮮の「組」は、中学校や学校のクラスで作られる。北朝鮮では地域別に学生たちを登校させるため、幹部やお金持ち、庶民の子供が1つのクラスで勉強することになるが、互いに生活水準が似ている学生どうし団結するようになる。そのため、幹部の子供やお金持ちの子供、庶民の家庭の子供がそれぞれの「組」を作ることになる。

どの階層の子供でも、こうした組職に所属しなければ仲間外れにされて、他の「組」の子供に暴力されることもあるため、「組」に入ることになる。「組」は卒業した後も勢力を広げて、地域を掌握するようになる。最初は協力しなければならないという必要性からできたが、他人を標的に悪事を働く暴力組職に転落することが多いという。

10代の子供たちが参加しているこのような組職は、最近まで様々な犯罪を繰り返してきた。住民を狙った強盗や窃盗、強姦、さらには国境地域の密輸にまで手を染めている。(企画記事4参照)

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社会主義だと誇っている北朝鮮の組職暴力の歴史は、1980年代にさかのぼる。韓国で「民主化運動」が行われて、青年や学生が通りでデモをしていた時代、北朝鮮は地域の覇権を掌握しようとする暴力組職の「組争い」の絶頂期にあった。

男子学生は誰もが、敵に会った時に用いる護身用の武器として四角形の「手鏡」を身につけていた。放課後には山や人里離れた野原で、棒や石を持ってけんかに明け暮れていた。

各都市の区域や洞で、自分たちの勢力を確保しようとする10代~20代の青少年たちがシャベルや棒を握って、こちらの通りからあちらの通りへと歩きまわって、熾烈な激戦を続けた。

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80年代の組職暴力団は、主に自分の組の力を誇示して勢力を確張しようとする「組争い」が基本で、彼らの犯罪行為は女性に対するセクハラや強姦が多かった。

だが北朝鮮政府が80年代末からこのような組職暴力団に対する取り締まりを強化して、組職暴力団員の多くが死刑を宣告されたり監獄に送られた。

北朝鮮政府の弾圧がひどくなり、90年代初めにはこうした暴力組職は生存するために、対決から協力関係に態度を変えた。そうしてお金儲けのために、組職どうし協力していざこざの鎭火を始めた。

1990年代に両江道恵山市で処刑された組職暴力団のボス、カン・キルドゥ(あだ名はこおろぎ)やキム・クァンャ