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アメリカのヒラリー・クリントン国務長官が15日(現地時間)、米朝2国間対話が開かれる場合、北朝鮮にはそれに「ふさわしい対価」と「インセンティブ」を明確に提供すると話し、今後米朝2国間対話の議題が「包括的なパッケージー」に関する議論になる可能性があることを示唆した。

クリントン長官はこの日の午後、国務省でウルグアイの大統領との会談を終えた後、記者らが米朝2国間対話の推進の理由について聞くと、「ボズワース特別代表とソン・キム大使がアジアを訪問した際に、6カ国協議の関連国と協議の再開のために努力することに合意した。さらに、アメリカが6カ国協議の再開を支持していることを明確に伝えた」と述べた。

また、「北朝鮮を6カ国協議に復帰させる方法の1つとして6カ国協議の目的やそれにふさわしい対価・インセンティブなどを北朝鮮に直接、かつ明確に説明することもあり得ると同意した」と話した。

クリントン長官のこのような発言は、米朝2国間対話の目標が北朝鮮の6カ国協議の復帰にあることを再度強調したものだ。また、北朝鮮が6カ国協議に復帰して後戻りできない非核化措置を履行する場合、それに相応する補償措置として米朝関係の正常化や体制の保障、国際社会の対北経済支援などのインセンティブを提供するという意思を北朝鮮に伝えるという考えを意味するものである。

現在、アメリカと北朝鮮はニューヨークチャンネルなどを通じて、2カ国対話の時期や議題について話し合っているため、結果はじきに出ると思われる。米朝2国間対話は10月下旬と11月初旬が有力視されている。

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アメリカが北朝鮮との2国間対話を受け入れたことは、アメリカの「対話と制裁」というツートラックに基づいた動きだが、その過程で見られるアメリカの態度の変化には、北朝鮮に譲歩しているようだという評価もあり、今後本格的な交渉に取り組む場合もこのような状況が繰り返されたり、続くのではないかという懸念の声も聞こえている。

アメリカは6カ国協議に復帰させるためだというが、これまで主張してきた「6カ国協議の枠組みの中での米朝2国間対話」から譲った形で、実際に北朝鮮の米朝2国間対話の主張を受け入れているものだ。また、米朝2国間対話で対北経済支援などのインセンティブを提供するということを北朝鮮に伝えたことも、これまでアメリカ政府が6カ国協議に復帰するまで、北朝鮮とはどのような形の対話もしないと公言したこととは大きくかけ離れている。

これについてウォールストリートジャーナル(WSJ)は15日に、『金、再び勝利を手にした』という社説で、オバマ政権が11日に6カ国協議を復活させるために北朝鮮と2国間対話を行うと発表したことは、北朝鮮との外交を尊重するために、アメリカの対北政策を自ら見下したのも同様のことだと酷評した。

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米朝2国間対話を受け入れたことは、アメリカの最初の譲歩であり、6カ国協議に復帰しないという北朝鮮の態度を変えるためにはまた譲らなければならないという懸念の声もある。

世宗研究所のイ・サンヒョン安保研究室長は、「アメリカの外交政策は、初期の強硬政策から徐々に宥和政策に変わるパターンが続いている。北朝鮮と対話を再開するためのアメリカの態度の変化は、最近のアメリカ国内の政権支持率と来年の下半期に実施される中間選挙と関係がある」と分析した。

韓国・国防大学のキム・ヨンス教授は「北朝鮮の2国間対話の要請が続いており、現在イラクやアフガニスタンでさらされている外交的な危機を考慮すると、2国間対話を受け入れて北朝鮮と交渉するという成果をあげなければならない難しい状況にある。クリントン長官のインセンティブ発言にも、より実質的な2国間対話を引き出そうとする意図がある」と分析した。

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しかし、イ・サンヒョン安保研究室長とキム・ヨンス教授も、アメリカが2国間対話で北朝鮮の6カ国協議の復帰を前提にインセンティブを提供する可能性については、これまで国際社会との共助を主導してきたアメリカの行動を否定することになるため、それほど可能性は高くないと予想している。

6カ国協議の関連国も、北朝鮮の後戻りできない非核化措置がとられるまでは、対北制裁をやめることはないと思われる。北朝鮮との対話を進めながらも制裁は和らげないという意志が見られ、6月の国連安保理の対北制裁決議1874号の効果も時間が経つにつれさらに高まると思われる。