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中朝国境に面した北朝鮮・両江道(リャンガンド)の恵山(ヘサン)市で、大規模な立ち退きが行われる予定だという。

デイリーNKの内部情報筋によると、金正恩党委員長が「国境地域を再整備せよ」と指示したことから進められている事業で、住民の間には不安が広がっている。

立ち退き話は、「70日戦闘」で朝から晩まで働かされてきた人々が、ようやく終わって一息付けると思っていた矢先に降って湧いた。

突然の話に、住民たちは当惑し、不安に駆られている。家とともに庭先の個人耕作地も失うことになり、食料を確保できない状況に陥る可能性もあり、さらに不安を煽っている。

当局は、代わりの住宅の提供を約束しているが、それを鵜呑みにする人は誰ひとりとしていない。そもそも、昨年秋に江岸洞(カンアンドン)の大火事で焼け出された52世帯に対しても当局は同様の約束をしているが、未だ守られていないからだ。

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さらに、人民委員会(道庁)の住宅課は、立ち退きの対象となった人々から、入居証(元々その家に住んでいたことを示す証明書)を回収した。

役人は、証明書がなくては新しい家に引っ越せないことを悪用して、ワイロをせしめようとしているのだ。

経済的に余裕のある人は、否応なしにカネを払って証明書を買い戻したが、ほとんどの住民はその余裕もなく、家を失って茫然自失の状態だ。

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当局者は「国を裏切る者ども(脱北者)を防ぐための措置だ、不満を言うな」と言いながら、対策を講じるかのように住宅建設に従事する人の募集を始めた。

しかし、それは別の地域で一昨年に立ち退きに遭い、2年間も家なしで放置されていた人々向けの住宅だ。当局は「道が家を建てるから、国から要求された仕事(思想武装、勤労動員)を一所懸命やれ」とうそぶいているという。

住民たちは、市場で板とビニール幕を購入し、バラックを建てて、新しい家ができるまでの期間を耐えぬくつもりだが、経済的困窮に耐えかねて、脱北する人が出たら、まさに本末転倒だ。

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財産権すらも守られない。これが金正恩氏の「人民愛」の現実だ。