先月28日、北朝鮮で金正恩氏肝いり建設事業の一つである「白頭山英雄青年3号発電所」の竣工式が行われた。日程は、朝鮮労働党第7回大会に合わせたと見られる。

党大会で金正恩党委員長は総括を通じて「我が青年たちは、党が任せた白頭山英雄青年発電所を立派に建設し、朝鮮青年たちの不屈の精神力と自力自強の力を天下に誇示し、米帝とその追従勢力の頭上に鉄槌を落とした」と、同発電所を褒めちぎった。

しかし、完成からわずか10日で水漏れを起こし、緊急放水を余儀なくされる事態に発展していたことが明らかになった。韓国の聯合ニュースが報じた。

聯合ニュースが、関係当局から提供された今月8日撮影の発電所の衛星写真を分析した結果、ダムのいたるところに亀裂が走り、水漏れが発生、止水壁の一部が崩壊している状況が確認されたという。

貯水池から余分な水を放水する余水路から、緊急に水を抜く作業を行っている様子も確認された。

金正恩氏は昨年10月、白頭山青年英雄2号発電所の竣工式に参加した際に「党中央は2016年の青年節(8月28日)までに白頭山英雄青年3号発電所の建設を無条件で終えることを命令する」との指示を下した。

ところが、党大会を前に繰り広げられた大増産運動「70日戦闘」の一環として、完成予定は4ヶ月も繰り上げられた。

北朝鮮事情に精通した情報筋によると、3号発電所の建設工事では、コンクリートの打設を、工期に無理やり間に合わせるために氷点下30度の真冬に行った。氷点下の気温で打設を行うと、水分が凍結、膨張し、コンクリートがもろくなってしまう。こんな常識も、工期に間に合わせるためなら無視されてしまい、口を挟むことは許されない。

8月の完成予定でもそんな無茶な工事が行われ、事故が予見されていたというのに、予定が4ヶ月も繰り上げられたことで、手抜き工事に拍車がかかったことは想像に難くない。

3号発電所に先立って完成した1号、2号発電所でも水漏れが発生し、まともに稼働できていない状況だ。すべて「速度戦」という名の突貫工事がもたらした結果と言える。

しかし、金正恩氏はその弊害の激しさに気づいていないのか、党大会での総括で次のように述べている。

「今建設中の発電所の操業期日を繰り上げて、大規模な端川発電所を最短期間で建設し、原子力発電所の建設を同時に推し進め、電力問題の解決の展望を開かなければなりません」

建設現場で、「速度戦」という悪習が続けられる限り、今後もこういった事は起こるだろう。

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