中国の裁判所が、脱北者が韓国に行くことができるよう助けるなど、人道主義に基づいて支援活動をしていた中国人2人に重刑を言い渡した。
アメリカのクリスチャン非政府中国救護協会が今回の裁判所の判決を強く非難し、国連や関連国の介入を要請する予定と、ボイス・オブ・アメリカ(以下、VOA)が8日に報じた。
中国人のチャン・ヨンフさん(男性、50代半ば)は3月14日に、韓国に行くことを望んでいた6人の脱北者を中国とモンゴルの国境地域に連れて行こうとしていた時に、中国の公安に身柄を拘束された。チャンさんは暴力を受けて片目が失明したという。
拷問に耐えられなかったチャンさんは、一緒に活動していた朝鮮族の女性イ・ミンセンさんのことを自白し、中国の公安は4月29日にイさんも逮捕した。
中国の裁判所は8月30日、チャンさんには懲役7年に相当する2万元の罰金を、イさんには懲役10年に相当する3万元の罰金を支払うよう言い渡した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面チャンさんはクリスチャンで?島に住んでいたそうだ。イさんもこの地域の出身で、夫と娘と息子がいるクリスチャンの家庭で、韓国語も上手だという。
2人と一緒に、中国の脱北者を韓国に送る活動で主導的な役割を果たしてきた韓国人の牧師(年齢と名前は公表されていません)はVOAとの電話インタビューで、「今回の判決を非常に残念に思っている」と語った。
この牧師は、「脱北者を特定の場所に隠して、機会を見て国境に脱出させる仕事を手伝っていた。一緒に働いていた2人が捕まってしまい、非常に辛い。教会で祈っている」と話した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面10年間中国で宣教活動をしてきたこの牧師によると、2人とは同じクリスチャンとして気が合い、それほど裕福な暮らしをしていないにもかかわらず、できるだけのことをして脱北者たちを助けてきたという。
また、「以前も朝鮮族や中国人が脱北者をモンゴルの国境に連れて行く途中に中国の公安によって摘発されたことがあったが、大体お金で解決できた。だが今回は、約21万元(約400万円)差し出したのに2人に重い刑が言い渡された」と伝えた。
さらに、「中国政府が政治的な目的は無く、ただ脱北者たちを助けていただけの自国民に、あまりにも厳しい罰を宣告した。中国で脱北者を助けることが違法行為であることは、中国政府の過ち」と批判した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面アメリカ国内からも中国政府を非難する声があがっている。
アメリカ南部のテキサス州にあるキリスト教会の民間団体、中国救護教会のボブ・プー会長は、イさんの息子から今回の事件について聞いたと述べ、中国の裁判所の過酷な判決に大きなショックを受けたと話した。
プー会長は「チャンさんとイさんはお金のために脱北者を助けたのではなく、本当に人道主義的な理由で助けただけなのに、中国政府がこの人たちを不当に処罰した。今回の判決に対して、中国内の人権弁護士を通じて控訴し、韓国内の脱北者には彼らの無罪を証言してくれるよう求める」と強調した。
さらに、「米韓など国際社会を通じて、中国政府がチャンさんとイさんを解放するようにプレッシャーをかける計画だ。北京の国連難民高等弁務官事務所にも介入を要請する」と話した。