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北朝鮮による事前通告なしのダムの緊急放流で、臨津江(イムジンガン/リムジンガン)の水位が上昇、韓国側で6人の犠牲者を出した。このダムは、黄江(ファンガン)ダムと言われるが、一体どのようなところなのだろうか。

朝鮮半島を南北に分断する軍事境界線から北に約27キロ離れたところにある黄江ダムは、発展や用水の供給などの目的で建設が進められ、2002年に着工、2007年頃完成したと見られている。

臨津江の流れの約7割が北側にあり、黄江ダムの貯水量は韓国の八堂(パルタン)ダムの1.5倍にあたる3〜4億トンで、2001年3月に完成した4つの小型ダムからなる4月5日ダムも加えると、臨津江の管理権は北朝鮮に握られているも同然だ。

韓国の建設交通省は、2002年に発表した「横江ダムの現況と対策」という文書で、黄江ダムが臨津江の流れをせき止めれば、韓国の坡州(パジュ)や漣川(ヨンチョン)で年間2億9300万トンの水が不足すると予想し、北側が任意にダムの水を調節したり、ダムに問題が起きたりすれば、大規模な洪水が発生する恐れがあると指摘していた。

これと関連し、韓国政府は2005年11月に臨津江流域の洪水被害を軽減するため、洪水調整池の建設事業に取り掛かり、北朝鮮との間で開かれた複数の会談で問題提起もしてきたが、北側は軍事施設が多いという理由を挙げ、合意事項の履行に難色を示し、2005年以後、議論自体が事実上中断していた。

(参考記事:北朝鮮「ダムの水位が上がり放流」と主張も虚偽の可能性