北朝鮮の金正恩第1書記は、アンデルセン童話の「裸の王様」を読んだことがあるだろうか。「バカには見えない不思議な布地で衣装を作る」という仕立屋に王様と役人たちがことごとくかつがれ、王様が裸のままパレードを行うことになるという、あの話だ。
実は、北朝鮮にも似たような状況がある。役人の間で「虚偽報告」が蔓延し、行政の空転につながっているのだ。たとえば、上層部から食糧生産の重いノルマを課された現場が、処罰を恐れて正直に未達を報告できず、「超過達成した」とウソをついてしまう。そして、それが積み上がる中で政策が現実から乖離して行き、深刻な混乱が生じてしまうのだ。
「鬼の形相」の死刑囚
同じことは、軍の現場でも起きている可能性がある。