北朝鮮で、史上初となる銀行を襲う窃盗事件が発生し、多額の現金が盗まれた模様だ。内通者の存在や、組織犯罪であった可能性も囁かれている。強力な統制国家である北朝鮮にも、犯罪はもちろん存在する。また、覚せい剤や売春などの犯罪では組織化の実態も指摘されてきた。
(参考記事:北朝鮮、組織化する売春業…バス停が「風俗案内所」)だが、薬物犯罪などが一般国民を対象としているのに対し、銀行強盗は権力の庇護を受ける金融機関をターゲットとしたものだ。それだけに、こうした犯罪が増加していくなら、金正恩体制の不安定化を示唆するものと見ることができる。
妻子まで惨殺
米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えたところでは、銀行が襲われる事件が発生したのは咸鏡北道(ハムギョンブクト)清津(チョンジン)市の新岩(シナム)区域。4月4日の夜、何者かが朝鮮中央銀行新岩支店内に入り込み、多額の現金を持ち去ったという。