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中国政府は北朝鮮の麻薬が中国に大量に流入していると、北朝鮮政府に強く抗議、最近、麻薬の生産工場に咸興の興南製薬の工場を指目し、工場の閉鎖を要請したと、複数の内部消息筋が20日伝えた。

これによって、北朝鮮政府も氷毒(ヒロポン系で北朝鮮では’氷’または’アイス’と呼ばれる)の製造に利用された興南製薬の工場の実験室と工場を閉鎖したことが分かった。

消息筋は”中国の司法当局が、氷毒10gを売買した人に懲役3年、それ以下は罰金として人民元2万ウォンを払わせるなど、厳しく対処しているが、北朝鮮の対処が緩いと強い不満を示した”と語った。

北朝鮮の代表的な麻薬製造工場としては、咸鏡道清津のナナム製薬工場が有名だ。最近、咸興が麻薬の生産基地として浮上したのは、90年代の大飢餓の時に最も多くの死亡者が発生するほど、生計が大変だったうえ、医薬品の不足で覚せい剤である’氷’を乱用したからだというのが消息筋の分析だ。

原価1キロで3千ドル…国境で1万ドルの取り引き

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ある内部消息筋は、”苦難の行軍の時、原資材と工場の設備まですべて売った住民の一部が麻薬に手を出して大金を儲けると、皆が真似はじめた”と述べ、”咸興の人々は興南製薬工場では原価1キロで3千ドルで、利益は5千ドルを超えて大金を得られるという欲心から麻薬に手を出し始めた”と語った。

消息筋は”以前は一攫千金を狙って手を出したが、今は誰もが麻薬で金儲けすることを考えている。当然、住民たちの間に氷中毒者が増えた”と説明した。

北朝鮮産の氷はたいてい1キロ当たり3千ドルの原価で製造され、現地で7千~8千ドルで売れて、密輸が可能な国境地域では1万ドルまで価格が上がる。

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また他の消息筋は、”麻薬で大金を儲けることができるという誘惑から、住民が国境地域で麻薬を持って販売船を捜している”と述べ、”巧みに製造されたにせ物も幅を利かせている”と語った。

北朝鮮内部で麻薬の販売が盛んになり、咸興だけでなく全地域の青少年までが氷に手を出すなど、問題はますます深刻になっているという。彼らはまだ中毒症状がなくても、中毒が憂慮される’高危険群’であると推定される。

中朝貿易に携わる北朝鮮の貿易業者、キム某氏は、“既に氷を背が低い子供たちまで使うほどだ。この間、12歳の私の友達の息子が、父親の氷を密かに服用していて見付かった。父親が思う存分叩いてなぐってから、‘氷がそんなによいか?’と聞いたら、驚くべきことに、‘万能の新薬’ではないかと言ったそうだ”と顔をしかめた。

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90年代半ばに、劣悪な医療施設と医薬品の不足から、住民は民間療法に頼り始めた。薬がなくて半信半疑で氷を風邪薬の代わりに使ってみた住民たちは、その後中毒になり、病気や脳卒中の症状が出ても、氷を救急薬として使っているということだ。

キム氏は”氷には覚せい剤の成分があるから、興奮剤,、疲労回復剤として使われている。子供たちも‘万能の新薬’と思って、’氷を少しなめれば、すぐに痛みが消えて爽快になる’と思っている”と語った。

麻薬取り締まり班も力無く

北朝鮮政府は、麻薬の乱用を阻むために、去年3月に麻薬布告令まで下して、麻薬の取り引き関係者らを死刑にまで処すると言った。しかし、麻薬でお金を儲けた販売業者らが取締当局に賄賂を与えるため、機関も対処に苦労していると消息筋は伝えた。

ある内部消息筋は、“この間、中央党の検閲グループが新義州で組職されて、麻薬の取り締まりに乗り出したが、道の保衛部、保安署などの権力機関の人々が大挙して活動していた”と伝えた。しかし、打てば打つほど権力機関の縁故者が何人も出てきて、処罰は困難をきわめているということだ。

国境地域の麻薬商人らは、管轄の保安員や保衛員の仲介で中国に安全に渡り、残った利益を分けている。この消息筋は“麻薬商人を取り締まったとしても、弾(裏金)を差し出せば首謀者もすぐに釈放される”という。

上級機関から派遣される麻薬取り締まりグループも、上納金の金額が大きいため、あっという間にぐるになるケースが多いと消息筋は伝えた。