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北朝鮮の人民保安局(警察)が最近、大々的に交通違反の取り締まりを始めた。朝鮮労働党第7回大会(5月6日開催)に向けた綱紀粛正が目的かと思いきや、その思惑は別のところにあった。詳細を米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の内部情報筋によると、道の保安局は最近、清津(チョンジン)市内の主要道路に、500メートルごとに検問所を設けた。そのうえで、かたっぱしから車を呼び止め、「車が汚れている」など言いがかりをつけながら、ドライバーから罰金をむしり取っている。

罰金自体は、5000北朝鮮ウォン(約75円、コメ1キロ分)と大した額ではないが、度重なると、けっこうな額だ。ドライバーたちは口々に「どうせいつもの資金集め」と保安局をなじっている。

しかし、保安局も苦しい立場にある。

北朝鮮当局は、道内の各機関に「対象建設」と呼ばれる施設の建設工事を、資金調達を含めて丸投げ。その成果は、党大会で「わが党の成し遂げた輝かしき成果」として示される。

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未来院(図書館)、育児院(保育園)、愛育院(孤児院)の工事はほぼ完成しているが、軍の放射砲(多連装ロケット)を製造する5月10日採炭機械工場(羅南炭鉱機械連合企業所)の再建工事は、資金不足で進んでいない。

その資金調達のために、保安局は、交通違反の取り締まりをネタに、ドライバーからカネを絞り取っているというわけだ。

最近では、カネだけに飽きたらず、取り締まりを人員の補充に利用している。別の情報筋によると、違反者を労働鍛錬隊(軽犯罪者を収容する刑務所)送りにした上で、建設現場に送り込んでいる。

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5月10日採炭機械工場の再建工事は、昨年5月に金正恩第1書記が現地視察を行った際の「建て直せ」という指示に基づくものだ。

金正恩氏は同時期に、市内のクドク鶏工場(養鶏場)に対しても「ともかく潰してともかく建てろ」との指示を下したが、その理由は誰にもわからず、住民たちは「意味のないことに動員された挙句、金品を搾り取られた」と激昂しているという。