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核実験や長距離弾道ミサイルの発射実験などにより中朝関係が悪化する中、米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)の中国語版は、中国政府が、中朝国境地域に難民収容施設の建設を計画していると伝えた。

VOAは、香港の中国政治専門誌「争鳴」4月号の記事を引用し、「中国政府は、金正恩政権の崩壊、朝鮮半島での戦争勃発による大量の難民発生に備え、吉林省一帯に800から1000の難民収容施設と、20の医療施設を建設する計画を立てた」と報じた。

また、中国政府は、何らかの有事の際に発生する難民は、最初の1週間で100万人、1ヶ月で500~700万人に達すると見ており、一部は送還、一部は収容する方針だという。

これまで、中国政府は脱北者を摘発した場合、原則的に北朝鮮に強制送還する措置を取っていた。有効な身分証明書を所持していても、送還したり、脱北者を摘発する北朝鮮の国家安全保衛部(秘密警察)が、自国内で活動することを黙認していたと言われている。

一方、中国政府は、公式には否定しているが、つい先日起きた北朝鮮レストラン集団脱北事件において、従業員の出国を黙認したと伝えられており、脱北者政策を変更した可能性も否定できない。

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中国政府の方針変更に、苦い顔をしているのが中朝国境地帯の住民たちだ。

吉林省延辺朝鮮族自治州の延吉市在住の孫さんは「延辺人として、脱北者には同情している。もし見つけても通報もしないし、深く関わらない。しかし、大量に押し寄せるとなると、我々が最も悪影響を受ける」と、中国政府の脱北者政策の緩和の可能性について否定的な見解を示した。

ここ数年、中朝国境地帯では脱北者や越境した脱走兵による強盗殺人事件などが相次いでいる。中国で、脱北者は「招かざる客」なのだ。