昨年10月初め、北朝鮮の葛麻(カルマ)飛行場で、金正恩氏の視察前日に大量の爆薬が見つかったと米政府系のラジオ・フリー・アジアが報じている。建物の天井裏から発見されたのは、TNT火薬20キロ。手榴弾なら130個分以上になり、通りがかった人の「爆殺」を狙うのに十分な量に思える。
さらに2004年春には、龍川駅の爆発事故が起きている。中国を訪問した金正日氏が特別列車での帰路上で、半径数百メートル以内にある8千棟の建物が吹き飛び、包括的核実験禁止条約機構の地震波データは小型原爆並みの衝撃を感知するほどの大爆発が起きたのだ。この出来事はいまもって、「暗殺計画」の可能性をはらむミステリーとして語られている。
(参考記事:なぜ最高指導者の近くで大爆発が…北朝鮮「暗殺未遂説」のミステリー)それでも結局のところ、金日成氏に始まった「金王朝」は3代にわたり独裁権力を守り抜いてきたわけだが、だからといって彼らが無敵であるはずもない。