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おそらく一部の友好国、たとえばシリア、ベトナム、ラオスなどには既に日程を知らせ、代表団も参加するかもしれない。しかし、その他の国々は意図的に知らせない、または直前になって知らせる。そして、予定がつかなければ「参加しなくてもいい」。その裏には、下手に大会に参加されるよりも、気心の知れた友好国だけ呼んで大会を開いて体裁を整える。諸外国の来賓は、呼びかけたが参加できなかったから仕方がないーーこうしたアリバイ作りを狙っているという見方もできる。

そもそも、金正恩氏は、2011年に最高指導者になって以来、どの国の国家元首とも会談を行っていない。今後も、よほどの友好国でない限り、積極的に会談をしようという国は現れそうにない。つまり、どうせ対外的に権威をアピールできないのなら、いっそのこと来なくてもいい。それでも党大会を開いたという実績は残したい。あくまでも憶測の域を超えないが、国内では無双だが、国外的には引きこもり気質が見え隠れする正恩氏ならいかにも考えそうなことだ。

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問題は、こうした金正恩氏の引きこもり気質のそのしわ寄せが北朝鮮国民に及ぶこと。そして、国際社会が正恩氏の気まぐれにつきあわされ、核・ミサイル問題をはじめ、北朝鮮問題の解決が遠のくことだ。

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高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

脱北者が明かす北朝鮮 (別冊宝島 2516) 北朝鮮ポップスの世界 金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 (宝島社新書) コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記