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この影響からか、カンボジアのプノンペンにある北朝鮮レストラン6店舗のうち3店舗が営業を中止したと聯合ニュースが7日、報じた。残りの3店舗も経営は苦しく、ベトナムにある4店舗も客足が5~6割以上も減っているという。また、米政府系放送局のラジオ自由アジア(RFA)は先ごろ、中国遼寧省・丹東にある15店舗のうち、3店舗が廃業したと報じた。

こうした状況の中、当然のごとく、北レスの従業員たちにしわ寄せが及んでいた。丹東の北レスでこの2月から、従業員の賃金が未払いとなっているのだ。中国のデイリーNK対北朝鮮情報筋によると、賃金が未払いになったのは今年2月分から。3月分も未払いになっている可能性が高い。

彼女たちは家族に仕送りするために、食べたいものも我慢するなど爪に火をともすような生活を送りながら、1ドル、2ドルと貯金している。それなのに、賃金が支払われなくなっても文句ひとつ言えず、故郷にいる両親を思い出し、従業員同士が抱き合って涙をこらえているような有様だという。

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北朝鮮当局は賃金未払いに対してこれといった対策を立てておらず、従業員の思想統制や監視を強化するだけだ。それどころか、本国へ送る上納金のノルマ達成のため、ウェイトレスに強制売春をさせているという情報もある。昨年12月には、売春を強要される状況に耐えきれず、ウェイトレスが失踪する事件も起きたという。

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2月までは、従業員らが市場や町中に遊びに行く際には、3人で行動することを条件に許可が与えられていた。ところが3月からは「敵対勢力が祖国をひっくり返そうとしている。敵は、海外に住むわが人民を虎視眈々と狙っている」との理由で、外出が許可されなくなった。

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賃金も支払わず、統制を強化するばかりで「米国をはじめとした敵対勢力の経済制裁のせいだ。給料がもらえなくても愛国心を持って働こう」などと無茶なことを言う当局に対して、従業員の間では不満が高まっている。

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こうしたなか、起こるべくして起こったのが、今回の「北朝鮮レストラン集団脱北事件」だ。