過去には制裁に消極的だった中国が、北朝鮮産のレアアースを禁輸にするなど、日米韓などに歩調を合わせる姿勢を鮮明にしている。

それも、だいぶ前から中国に対し人知れずブチ切れてきた金正恩氏にとっては、想定内のことだろう。何しろ、核実験前には中国をワナにかけることを狙っていたぐらいだから、強力な報復を覚悟していなければ、むしろおかしい。

(参考記事:「中国の奴らに思い知らせてやる」 金正恩氏が爆弾発言か?
(参考記事:金正恩氏は中国に「核のワナ」をしかけたのか

だが、北朝鮮の貿易関係者や一般国民はそうではあるまい。中国企業による投資が盛んな咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋は、「最近、わが国と中国の関係が良くないので心配していたが、中国企業のただならぬ動きに、住民たちは恐怖心すら感じている。彼らがいなくなったら地元の経済はたいへんなことになる」と不安を漏らしている。

実際、中国企業の撤退の動きは、すでに始まっているようだ。慢性的な電力難と原材料難の中、中国からの投資でようやく命脈を保ってきた北朝鮮企業は少なくない。そこで生活の糧を得てきた人々は、暗澹たる気分なのではないか。

(参考記事:制裁本格化で中国企業の対北投資が委縮

これが民主主義国家での出来事であれば、有権者である国民は、自分たちの生活の糧を奪った執権者を決して許さず、選挙で敗北させるだろう。ところが、北朝鮮のような独裁国家ではそうは行かない。政権批判の声などを上げれば、軍隊に虐殺されるか、政治犯収容所で拷問され処刑されてしまう。

(参考記事:抗議する労働者を戦車で轢殺…北朝鮮「黄海製鉄所の虐殺」
(参考記事:北朝鮮「核の暴走」の裏に拷問・強姦・公開処刑

つまり、経済制裁により北朝鮮の核・ミサイル開発を困難にすることはできても、それを推進しようとする独裁者の意思をくじくことが出来るかは未知数なのだ。この点を考えずして、北朝鮮が国際社会に突き付ける問題の根本的な解決は難しい。

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