「金銀山貿易会社やソンガン出張所は、中国企業の名義で、東南アジアやヨーロッパから品物を輸入する。北朝鮮企業は、それを一般製品と混ぜて包装し直す。中国の税関を通過する際には、申告書と共に決められた額のワイロを渡せば、形式的な通関、または荷物を検査棒で突っつくなど検査するふりをして通してくれる。制裁は強化されているが、通関手続きは相変わらずだ」(内部情報筋)
さらに、北朝鮮側の税関にも申告書を提出するが、適当な品名を書いたり、白紙のままで提出する。白紙の申告書は「特殊製品」を意味し、中央からは「品名、数の記入がなくても構わない、中身について疑問すら持つな」と指示されている。
北朝鮮の税関職員は、検査すらせず「ソンガン出張所」に品物が積載されたトラックを案内する。そして、出張所本部からやってきた課長級の駐在員が物資を選別し、軍需工場に送るーーこうした流れで、制裁破りが横行しているのだ。